恋は孤悲とも書く。特に遺伝を詠んだ短歌は切なさマックスでした。自分自身が精神疾患で苦しんでいるから親近感が湧くというか、何というか。精神疾患と恋愛って難しいと言われがちだけどそうじゃない。失恋や駄目な恋だって糧になる。真世さんの短歌は激情で切なく、淡く脆い。けど優しい。
本作の作者は実生活において厳しい経験をなされた人です。本作では厳しい経験をぶつける、女らしくも荒々しい短歌が並びます。この世に生きていきたい、でもどうすれば。生存と世界に体当たりでぶつかれば身に傷もつきます。その傷を真正面から見据える歌です。