ひとつの事実として、私はこの作品を読んで、心がひとつ救われました。
繊細なテーマを取り扱っています。
作品を読んだ人の感じ方は、人によって異なるのかもしれません。
ただ私は、この物語を、優しいお話だと思いました。
きちんと寄り添ってくれる。突き放してくれる。
決してべったりとした肯定ではなく、なんとなれば冷たいくらいの距離感でいてくれる。
だからこの物語は、優しいのだと思います。
傷を癒してくれるのだと思います。
届くべき人に届きますように。
どうか、どうかこの優しさが、必要な人に届きますように。
そう祈るのは私の希望であり、私のエゴです。
けれども必要な人に届いたのなら、私はまたひとつ、救われる気がします。