ダルタちゃんの冒険 後編
キノコの森ではたくさん収穫体験をさせてもらったニャ。
「あの辺にいるランマッシュルは良いお出しが出て最高ですよ! 食物繊維も多いので女性におすすめデッス! 干したものもありますので、ぜひお持ち帰りください!」
マジックバッグひとつ分を押し付けられたニャ。
お肉の加工工房では大好きな魔牛をたくさん仕入れて帰りたいニャ!
「魔牛はもちろん、大鹿のお肉もお持ちください。そしてなんといっても植物園特産の地鶏のお肉がおすすめです!! これもぜひお持ち帰りください!!」
魔牛と大鹿とオーク肉の詰め合わせセットと、地鶏単品マジックバッグをもらったニャ。
そのあとは夢のようなお菓子工房やパン工房を巡ったニャ。
アクセサリー工房でも水晶のアクセサリーをお土産に買ったニャよ。
気づいたときにはマジックバッグがたくさんになっていて、持って帰れなくなっていたニャ……。
ボクが困っているとドリーお婆ちゃんがメエメエさんに話をしてくれたんだニャ。
「ちょいとお前さん! ちっこいダルタが全部持てるわけがないじゃないかい! もっと大容量のマジックバッグに詰め直しとくれ!」
「むむ。ドリーさんもひとつふたつ持ってあげればよいのでは?」
「あたしはあたしの土産物を持って帰るのさ!」
「むむむ。仕方がありませんね! 容量無制限のマジックバッグに詰め直しますか……」
「ケチなことをお言いでないよ! 全部ひっくるめて突っ込んじまいな!!」
「ええ――ッ! 横暴デッス!!」
ボクはそのやり取りを、ハラハラドキドキして見守っていたんだニャ。
そこへハクちゃんがやってきて、小首をかしげて言ったニャ。
「貸してあげたらいいんじゃないかな? 次に来たときに返してもらえばいいよ」
ハクちゃんはニッコリ笑ってそう言ってくれたニャ!!
「ああ、お代は気にしなくていいからね! 在庫が余っているから、好きなものを持って帰って妖精王に売りつけたらいいよ! 次に来る機会があったら、またおもしろい品物を持ってきてくれたらそれでいいよ」
ハクちゃんは神ニャ!!
後光が見えたニャッ!?
そのあとは植物園内のいたるところで遊んで、食べ倒して、妖精界に戻ることになったニャ。
そのあいだにドリーお婆ちゃんは、ネズミの耳が生えた幼女の姿に変っていたニャ?!
ボクが驚いてポカンとしていたら、ドリーおば……「ドリーちゃんとお呼び!」と叱られたニャ。
「長いものには巻かれるニャ」
「そうニャ」
クロちゃんシロちゃん兄さんたちに諭されたニャ。
ボクは黙ってうなずいたニャ。
逆らっちゃダメニャ!
ボクはこうして人間界でいろんなことを知って、妖精界に戻ってきたニャ。
ドリーちゃんと一緒にドリアードの森に到着すると、すぐに妖精王様のお城からお迎えがやってきたニャ。
お城に到着すると、妖精王様と妖精女王様に人間界での出来事を話して聞かせたニャ。
たくさんお話したニャ。
数日後にはパパが迎えにやってきて、ボクは飛びついたニャよ!
「パパ! ただいまニャ! 人間界は楽しかったニャ!!」
「おお、無事だったかダルタ! 心配していたニャ」
パパは王様たちの前だというのに、ボクをペロペロ舐めてうれしそうに泣いていたニャ。
パパ、ちょっと恥ずかしいニャよ。
「ニャニャ! 思春期かニャ?!」
パパはショックで固まっていたニャよ。
ボクも大きくなったニャ!
パパが落ち着いてからお城の大広間を借りて、人間界の品物を取り出していくニャ。
もちろんパパやママや赤ちゃんへのお土産は出さないニャよ。
「こっちは王様へのお土産だニャ。黒羊のメエメエさんから預かってきたニャよ。気に入ったら次は買ってと言っていたニャ」
「へぇ、変わったお酒だね。あとで飲ませてもらおうか!」
妖精王は身を乗り出してうれしそうにしていたニャ。
「あとは雑貨を適当に並べていくニャ。食料品は見本を一個ずつ出すニャよ」
テチテチ歩いて敷物の上に並べていくのを、パパも手伝ってくれたニャ。
派手なアロハシャツに妖精王は驚いていたニャ。
妖精女王は鮮やかな柄のスカートに興味津々だったニャよ。
ガラス製品やアクセサリーも王様がほとんど買ってくれたニャよ!
お城の料理人さんがやってきて、食料品をたくさん買ってくれたニャ。
ボクらがお家で食べる分は寄せてあるから安心するニャ!
こうしてほとんどの品がなくなったニャ。
大臣様が大量の妖精硬貨を支払ってくれて、パパは腰を抜かしていたニャよ!
妖精硬貨で思い出したけど、ウォーター・リーパーの素材をスッカリ忘れていたニャ。
パパと王様に伝えると、九割を買い取ってくれたニャ。
残りはパパが魔道具の材料にすると言っていたニャよ。
「ウォーター・リーパーのお肉は超高級品ニャ! 帰ったらママにいっぱい食べさせてあげようニャ」
パパはそう言って笑顔でボクの肩を抱いてくれたニャ。
ボクは最後に妖精王様に告げたニャ。
「マジックバッグはあとで返してニャ。また来年になったら人間界に商売に行きたいニャよ。そのときはミサンガをくださいニャ!」
満面の笑顔で告げたボクに、妖精王様と女王様は笑ってうなずいてくれたニャ。
「では珍しい魔道具をドンドン開発せねばならんな!」
「私もがんばって仕入れますニャ!」
妖精王様に、パパが明るく返事をしていたニャ。
お城からの帰り道は、パパと手をつないで歩いてゆくニャ。
「この道も結界の魔道具が設置されてから、安全に往来できるようになったニャ。ドリアードの森に寄って、それからママが待つケットシーの国に帰ろうニャ」
パパはご機嫌なようすでユラユラとしっぽを揺らしていたニャ。
「ママにお土産を買ってきたニャよ! パパの分もボクの分も、赤ちゃんの分もあるニャ! メエメエさんが赤ちゃんにって、柔らかな布もたくさんくれたニャよ! 早くママの顔を見て、赤ちゃんに合いたいニャ!!」
「ニャニャ! 赤ちゃんが生まれるのはもう少し先だニャ! 気が早いニャよ!」
パパはうれしそうに笑っていたニャ。
街道の空は晴れて、ポカポカ温かいニャ~。
お家に着いたらママに抱きしめてもらうんだニャ!
ボクらはたくさんお話しながら、家路を急いだのニャ~ン。
***
語尾が全部ニャになる恐怖(笑)
文章としてどうなのと思いつつ、活用法を見つけられませんでした(;^_^A
ダルタちゃんパパはこうして大金持ちになりました!
ママがビックリしないか心配です( ´艸`)
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