advantage
冒険者ギルドを出た後、ギルドから一番近い武器屋を目指す。この町はそこまで大きくないから行く武器屋はせいぜい限られている。今から行く予定の武器屋は「キャラバンウェポン」という店だ。
キャラバンウェポンに着いてドアを開けると、そこには冒険者になって、まだまもないだろうと思える初心者冒険者らしき人達が何人かいた。
「へいらっしゃい!」
坊主頭で筋肉質、身長は180cmほどのヒューマンの男性が大きな声で挨拶をしてくる。
カウンターまで行って用件を話す。
「こんにちは」
「こんにちは!俺はキャラバンで、この店の店主だ!あんたの名前は?」
「セトです。」
「そうか!セトは冒険者になったばかりか?」
「はい!さっき冒険者になったばかりなんですが、何かいい品はありますか?」
一様武器については少しは知っているが店主に聞いた方が新しい情報もわかるかもしれない。
「うーん、何を今後極めていきたいかによるけど、剣ならブロンズソードがいいね、冒険者なりたての初心者でも扱いやすい片手剣だよ。あんたステータス適性はあるのかい?」
「はい。」
「そうか、ならこんな町で道草食ってないでさっさと王都まで行きな。あそこなら上級冒険者もある程度いるし、俺が昔いた時はSランク冒険者も何人かいた。王国ユグドラシルで一人しかいないEXランク冒険者だっているかもしれないぜ?それにクエストの種類だって、ここと比べものにならねぇー。経験だってあっちの方がつめるし、もし冒険者として強くなっていきたいなら、まずは王都に行くことだな!」
「わかりました!ありがとうございます。」
最上位のEX冒険者について聞きたくなったが、武器案内に移っていたので、それはまた後にしようと思う。
「武器にはいろんな種類があって主に剣類・杖・斧・弓・槍・銃の六種類がある。剣が一番使いやすいな。難易度は高いが、銃は使いこなせればかなり強くなれるぞ。だが、銃はあいにく、俺の店には売ってねぇーんだ。すまんな、王都に行けば多分あると思うぞ。どうだ?どれにする?」
銃を使ってみたい気もしたが僕はまだ冒険者成り立てだ。まずは闘いに慣れていく為にも扱いやすい剣にしてみようと思う。そうして、その後も説明を受け、結局ブロンズソードと予備の短剣ノーマルダガー、皮袋、そして、皮の装備一式を買った。合計で4万ルピーだった。1万ルピー残ったが、もしもの為に残しておこうと思いポケットから皮袋に移す。
店を出た後、
「王都か……」
と呟く。確かにこの辺のモンスターはあまり強くない。故に安定してそこそこのお金を稼ぎたいものにとっては向いてるかもしれないが、冒険者として強くなりたいものにとっては不向きだ。それに今の僕の職業は冒険者だ。やるからには強くなりたいと思う。
よし、ものは試しだ!王都に行こう。冒険者として強くなってやる。だんだん力がみなぎってきたところでまずは、レベル上げだ。
今後の方針がある程度決まった。装備も手に入れたし、一度宿屋に戻ってステータス画面を自分なりに調べてみよう。
そう思って宿屋に帰るのだった。
宿屋について部屋に入ると早速ステータス画面を開く。
ステータスオープン、そう心の中で念じると目の名前に画面が現れる。
セト・ザルバルド レベル1
HP 10
MP 5
ATK 10
DEF 10
AGI 25
スキル なし
HP、MP、他にも色々ある。なんだろう?そう思って、注視すると、説明が浮かんできた。
HP→対象者の体力。0になると死亡する。出血などによって徐々に減少する。スキルや武器、装備によって上昇下降可能。
MP→対象者の魔力量。0になると魔法が使えなくなるだけでなく、マインドダウンが起こり、全体の動き、思考力に支障をきたす。スキルや武器、装備によって上昇下降可能。
ATK→対象者の物理攻撃力、魔法攻撃力。スキルや武器、装備によって上昇下降可能。
DEF→対象者の物理防御力、魔法防御力。スキルや武器、装備によって上昇下降可能。
AGI→対象者の移動スピード、跳躍力。スキルや武器、装備によって上昇下降可能。
なるほど、今の僕の基本的な能力を数値化しているのか。
レベル1の平均は基本10と聞いたことがあるが、才能や個人差によって特に高いステータスや低めのステータスが出現することもあるらしい。僕の場合はAGIだけ平均よりかなり高い。なるほど、ステータス適性が判明してから少し体が軽い気がしたのはこのおかげだったのか。それにしてもMPは平均より低めだ。スキルや装備で補完していくべきだろう。そんなことを思いつつやはり、平均より高いAGIに少し興奮する。どれか得意な面があれば、それを軸に戦術なども組み立ていけるだろう。さっそくどれくらい変化したのか試したくなったが、それはクエスト時にしといた方がいいだろう。
レベルは1でスキルの欄は空欄だな。まぁこれは今後レベルが上がるごとに増えていくはずだ。
「さて、ステータス画面も確認したことだし、早速クエストを見にいくか!」
と思ったが、昼食の時間だ。
さっさと昼食を食べ終えた僕は先ほど買った装備を身につけて冒険者ギルドへと向かうのであった。
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