第13話 男子だってコイバナはします
HRが終わり一限目が体育ということもあって女性陣は別の教室へと移動して着替える。男性陣は自教室で着替えることになっている。
愛梨は他の生徒が移動するにもかかわらず陸人の方へと歩いてくる。そして吐息が届く距離まで詰め寄って
「また後で詳しく話聞かせてもらうから。わかった?」
と言って胸をつついて移動する。それに対して陸人はただ頷くことしかできなかった。
「それでそれで?」「一緒に遊びに行く予定の先輩さんって誰のことだよ?」「まさか言えないなんてことはねぇよなぁ?」「さっさと吐けよ!」
女子がいなくなった途端男性陣が陸人に詰め寄る。
男だって恋愛話に興味はあるのだ。からかいや面白半分というのがメインだが。
まぁ、よく聞く女性のドロドロしたものではないことが多い気がする。気のせいかな?
「いや、聞くならひとつづつにしてくれ...頼むから...」
流石に男性陣10人くらいに詰め寄られても聞き取れないし返せない。
圧力もすごいし暑いしね。
男子たちは顔を見合わせた後順番をじゃんけんで決めた。元気で何より。
「んじゃ、まずは俺から」
「どうぞ?」
その男子生徒は顔を赤くしながら
「お前って相沢と付き合ってなかったのか?」
「別に?相沢と僕は付き合ってないしそもそも出会ってからまだ半年もたってないよ」
「まじか、それであの距離感なのかよ...」
聞いてきた10人のうち6人ほどが胸をなでおろす。ほっと息をついたりしている様子の男子生徒達(別に名前忘れたとか考えるのがめんどくさいとかそういうのじゃないんだからねっ!)の様子から察するところに...。
「愛梨のこと好きなの?」
「ゲホッ」
さっきまで話を聞いてきていた男子の内数名が胸を押さえながら咳き込んでいる。
なんでこんなにもわかりやすい反応するのかなぁ?
ちょっと楽しくなってきちゃうんだけど。
「べっ、別にあいつのこと好きとかじゃねぇよ!」
「俺も別に相沢のことが好きとかそんなんじゃ...」
「そうだ!バカ言え!俺のタイプは黒髪の委員長系のキャラの清楚系だ!」
「そもそも俺はロリコンだぞ!12歳以上は愛せない!」
「30歳未満は守備範囲外だ!」
「確かに金髪ギャルは好きだが俺の嫁は二次元にいるんだ!」
「おまえらめっちゃごまかそうとするじゃん。そして後半3人、おまえらさらっとやばいこと言ってるからな?」
愛梨のことが好きかどうか聞いただけでしっかり性癖まで晒してきやがった。
ロリコンの人はとりあえず将来警察に捕まった時に聞き込みされたらいつかやると思ってましたって答えとこ。
「てか、これ愛梨に言っていい?」
「「「「「「やめてくださいお願いします!!!」」」」」」
きれいな土下座だ。
指先もしっかり伸びていて額もしっかり地面にこすりつけている理想的な土下座だ。
生涯やらなきゃいけない場面に会わないといいなー。きっと会うんだろうなー。
「おまえらさっさと着替えなきゃ遅れるぞ?」
そういいはなったクラス委員の男子が指さしていたのは授業開始の5分前を示している時計。
まだ誰も着替えて居ないこの状況では絶望的な状態だった。
結果、クラスの半数が遅れて連帯責任としてグラウンド3週走らされました。
なんでだよ...。解せぬ。
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結論、短い。
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