第9話 先輩とデート?そんなわけ
とりあえずいったん話はついたので帰ることにした。
僕と先輩の家の距離は歩いて1分かからない程度の距離。
そもそもに親同士が学生時代からの友人らしく双方の家に遊びに行くことは多かった。近くに家が建ったのはたまたま近くに物件があって近いということでお互いに購入を決めたからだそうな。
親同士は将来子供同士を結婚させようとかほざいてたみたいだけど今はその話自体もあんまりされてない。
というより酒を飲んでいるときにはなしてた内容らしく冗談半分らしい。
先輩のお母さんは割と本気っぽいのがなぁ...。
別に顔を合わせなくなっていたのは先輩が僕のことを避けていたからであって僕は普通に先輩の家にご飯食べに行ったりしてたよ?
高校に入ってからは普通に家に呼ばれてたよ?まぁ僕も気まずくてちょっと避けてた節はあったけどね?
「ところでなんだが...今週の日曜日は空いているか?」
今週の日曜日か...友人と遊ぶ約束をしていたような気もするがいつも遊んでいるのでたまには許してくれるだろう。
「まぁ、空いてますけど...どうしました?」
「君わかって言ってるんだろ!?」
先輩からかわれたからって顔真っ赤にしないで。ちょっといじめるの楽しくなってきちゃうから。
あまりにもわずかなことでも反応してくれるからちょっと楽しい。
それにこうやって話してふざけあうのも結構懐かしくて楽しい。
「今週末は遊びに行くんでしょ?どこ行きたいんですか?」
「そうだな...。私たちが昔見ていたあの作品の映画が公開されることは知っているな?」
あの作品か...。懐かしい。もはや最近は見ていなかった。
「そうですね...いきますか」
「今作の予習はしておけ。きっと今回も神作になること間違いないからな」
かっこつけて言うことではない気がするけども...。
そんなこんなで先輩と遊びに行く予定ができたので家に帰って早速予習だ。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
そういって迎えてくれたのは母親。父親は僕が帰ってくる時間帯はまだ仕事中だ。
「そういえば姫島先輩と話してきたよ。今週末遊びに行ってくる」
母親は僕と先輩が話さなくなってかなり心配してたからとりあえず報告はしておく。
あのときから少し元気もなかったし先輩がうちに遊びに来なくなったからさみしく思っていたのだろう。
母親の顔が明るくなる。お互いの家がお互いの子供を我が子同然に扱っていたのでちょっと長めの姉弟喧嘩のような感覚だったのだろう。
「それで?仲直りはできたの?」
「できた...というかもとより喧嘩はしてないからね?」
単純に面倒な奴らがいるからちょっと外で関わるのを控えようという提案をしたつもりだったのだが、すれ違いの結果3年程会話が一切無くなっただけだ。
...そりゃあ親も心配するよ。だって本当の姉弟のように仲が良かった(なんならそのへんの兄弟よりも仲が良かった)のに急に話さなくなって顔さえ合わせなくなったんだもの。
あ、あとこっちも報告しなきゃ。
「あ、それと今週末遊びに行ってくるね」
「どこに行くの?」
「先輩と映画ー」
ガタッっと音を立てて立ち上がる母。そんなにおどろかなくても,..。
「それってもはやデートじゃない!」
「デートじゃないです。なんで母さんはそっちばっかり考えるわけ?」
だめだ。もう話を聞いてない。
(とりあえずあいつは明日学校であうだろうしその時にでも日曜日に予定入ったと伝えておこう。)
なにせ母親というものは往々にして息子の恋愛事情を勝手に妄想するものだ。
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文字数減ったり更新頻度おそらく下がります。
ストック切れました。
タイトルに誤字があったため修正(2023年6月20日)
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