第28話 私と悠人㉘

そして警察に通報したんだけど、一向に犯人が捕まらないのよね。

もしかしたら私の知らないところで被害が出ているかもしれないと思うと心配で仕方がないわ。

一体どうすればいいのかしら?

こんな調子では安心して眠ることもできないわよ!

そんな不安を抱えながら日々を過ごしていたある日のこと、突然声をかけられたのね。

振り返るとそこには見覚えのある男性がいたのよ、彼は私を助けてくれた人で何度もお世話になった人なの。

その彼が言うには、例の詐欺師がまだ捕まっていないみたいなのよね。

それを聞いた私は不安になってしまいました。

このまま放置していたらまた被害者が出るかもしれないと思い、彼のアドバイスに従って自分なりに調査してみることにしたわ。

とは言っても何をすればいいのかわからないから、まずは情報を集めてみることにしたわ。

それから数日後、ようやく手がかりを掴むことができたの。

やったわ!

これで犯人を捕まえることができるかもしれないわね。

だけど、問題はまだ残っているのよね……、そう悠人とのことよ。

このまま彼と別れることになったら私どうしたらいいのかしら?

そう思うと悲しくなってきちゃうけど、今は悩んでいる場合じゃないわよね。

しっかりしなくちゃ!

でもその前にまずは彼との関係にけじめをつけるべきよね。

だから彼のことを信じて待ってみることにしましょう。

そう思いながら夜道を歩いていると突然後ろから声をかけられたのよ。

驚いて振り返るとそこには、見覚えのある男性がいたの。

そうです、悠人が居たのよ。

「会いたかったよ、美咲」

そう言われた瞬間、胸が高鳴った気がしたわ。

でも今はそれどころじゃないわね、彼にはちゃんと言わないといけないことがあるんだもの。

だから私なりに精一杯の気持ちを込めて伝えたの、そしたら彼もそれに応えてくれたわ。

「俺もだ、美咲。お前が欲しい、俺だけのものにしたいんだ」

そう言うと彼は私を抱き締めてくれたの。

私もそれに応えるように背中に手を回したわ。

すると彼の鼓動が伝わってきて、ドキドキしてしまったのよね。

だって好きな男性に抱きしめられているんだもの、仕方ないわよね。

そしてそのまま唇を重ね合わせたんだけど、とても幸せな気分になれたのよ。

「もう離さない、永遠に一緒だ」

その言葉を聞くと嬉しくなって思わず笑みがこぼれたわ。

でも本当にこれでいいのかしら?

そんなことを考えていたら急に眠気に襲われたのよね、意識が遠のいていく中で最後に聞こえたのは悠人の声だったわ。

「愛しているよ、美咲」

その後、目を覚ました私はベッドで横になっていたの。

あれは夢だったのかしら?

そう思いながら体を起こした時に気づいたのよ、左手薬指に指輪が付いていることにね!

それは間違いなく結婚指輪だったわ。

そして目の前には、私の大好きな彼の姿があるじゃないの。

驚いて言葉を失っていると彼は微笑んでくれたの。

そして私の手を握ってこう言ってくれたのよ、

『ありがとう』ってね。

「俺のためにありがとう、そして愛しているよ」

その一言で胸がいっぱいになった私は、涙を流しながら彼に抱きついたわ。

そんな私を優しく受け止めてくれた彼は、そのまま抱きしめてくれたの。

それからしばらくして落ち着いたところで、彼に尋ねたのよ。

「どうして私のところに来てくれたの?」

ってね。

すると彼は笑いながら答えてくれたわ、それが理由だって言ってね……本当かしら?

彼の話を聞き終えた後、改めて私たちの関係はどうなったのか気になったので聞いてみたらこう言ってくれたのよ。

だから私としては嬉しい限りだけど安心しちゃったのよね、これからもずっと一緒にいられるんだもの!

『大好きだ』

「あぁ、そうだ! お土産があるよ、渡しておくね」

彼はそう言うとカバンから小さな箱を取り出した。

その中には可愛らしいアクセサリーが入っていたわ。

どうやら私にプレゼントしてくれるみたい、早速付けてみることにしましょう。

「ありがとう、大事にするね」

とお礼を言うと、彼は照れたように笑っていたわ。

その後、彼は仕事に戻らなければならなかったため、そこでお別れすることになったんだけど、

最後に彼が言った言葉を思い出して胸が熱くなったのよね。

悠人が帰った後、早速貰ったアクセサリーを身に付けてみたの!

そしたら彼に守られているような気がして安心できたのよ、それに何より可愛いしね。

それからは毎日のように身につけるようになったのよ。

彼と出会ったあの日から毎日が楽しくなった気がするわ。

彼のおかげで今の私があると言っても過言じゃないわね、本当に感謝しているわ。

今度会った時には改めてお礼を言わないとね!

そういえば最近、職場の同僚や後輩たちが私に話しかけてくることが多くなったのよね、何かあったのかしら? まあ、悪い気はしないけどね。

それにしても最近は調子が良いのよね、これも全て悠人のおかげだと思うわ。

やっぱり愛の力って偉大ね、うふふ。

そんなことを考えているうちにいつの間にか眠りに落ちていたわ、だけど夢の中でも悠人と一緒だった気がするわ、不思議ね。

朝起きてから最初に目に入ったのは、見慣れない天井だった。

あれ? ここどこだっけ……? と一瞬思ったものの、すぐに状況を理解した。

(そっか、昨日ホテルに泊まったんだっけ)

(にしても、久しぶりに熟睡できたなぁ、こんなにぐっすり眠れたのはいつぶりだろう……)

と思いながら体を起こすと、枕元に置いてあるスマホを手に取る。

電源ボタンを押すと、時刻は朝の8時を示していた。

まだ時間に余裕があることを確認してから再び布団にくるまると、二度寝をすることに決める。

だが、その直後に電話が鳴ったことで叩き起こされてしまった。

画面を見ると、相手は悠人だった。

どうやらモーニングコールをかけてきてくれたらしい。

そんな彼からの電話を無視できるはずもなく、電話に出ることにしたのだが、その時にはすでに目が覚めてしまっていた。

仕方がないので、とりあえず支度をしてから待ち合わせ場所に向かうことにする。

駅前にあるカフェの前で待っていると、ほどなくして悠人がやってきたのが見えたので声をかけることにした。

そうして合流した私たちは、一緒に朝食を食べるために近くの喫茶店へと向かうことになった。

道中、他愛もない話をしながら歩いているうちに目的地に到着したようだ。

店内に入ると、席に案内されたのでメニュー表を見て注文を決めることにする。

しばらくして料理が運ばれてきた後は、それらを食べながら雑談に興じることになった。

そこでふと思い立ったことを聞いてみることにする。

なぜ、こんなにも朝早く呼び出したのか、その理由を聞いておきたかったからだ。

しかし、返ってきた答えは意外なものだった。

なんでも今朝は早くに目が覚めたらしく、せっかくなので私のことを起こしに行こうと思ったということだった。

しかも、そのためにわざわざタクシーを使って家までやってきたというの。

それを聞いた私は呆れつつも、そこまでして私のことを想ってくれていることに嬉しさを感じていた。

その後は、お互いに近況報告などをしつつ楽しい時間を過ごしていたのだった。

結局、その日は一日中デートをして過ごしたのだが、その日の夜、私は悠人の部屋で一夜を過ごすことになる。

そして、そのまま一線を越えることになり、翌朝、目を覚ますと隣に下着姿の悠人の姿があった。

それを見た私は、昨日のことを思い出してしまい赤面してしまう。

しかし、それと同時に幸福感に包まれていたのも事実だった。

こうして二人でいることができて良かったと思うと同時に、この人のことをもっと知りたいという気持ちが強くなっていくのを感じたのである。

その後も、私と悠人の関係は続いていた。

最初はぎこちなくてぎこちなかったものの、徐々に慣れてくると自然と会話をすることができるようになったの。

そして、ある日のこと、私が家で一人で過ごしていると、突然悠人から連絡が入った。

何事かと思って出てみると、いきなりこんな言葉が聞こえてくる。

「なあ、今暇か?」

私は、特にやることもなかったので、正直にそう伝えることにした。

すると、彼はこう言ってきたのである。

「そうか、それなら今から会えないか?」

その言葉に驚きながらも、私は承諾することにした。

待ち合わせ場所に到着すると、そこには既に悠人の姿があって、こちらに気づくなり手を振ってくるのが見えた。

慌てて駆け寄ると、そのまま手を引かれるようにして連れて行かれる。

「ちょっ、ちょっと待ってよ、どこに行くつもり?」

そんな私の問いかけに、悠人はさも当然のように答えるのだった。

「そんなの決まってるだろ、俺の家だよ」

そう言って連れてこられた先は、なんと彼の自宅だったの。

中に入ると、そこはシンプルな内装になっていて、綺麗に整頓されていた。

部屋の中を見回していると、不意に後ろから声をかけられた。

振り返ると、そこにはエプロン姿の悠人が立っていたの。

その手には、何やら大きな皿を持っているようだったが、よく見るとその上にはサンドイッチが載っていた。

それを見て、私は思わず声を上げてしまう。

「うわぁ、美味しそう! これ、食べていいの?」

目を輝かせながら尋ねると、

「ああ、もちろんだ」

と言って笑顔を見せてくれた。

その言葉を聞いた私は、早速口に運ぶことにしたんだけど、そこで大事なことを忘れていたことに気づいたのよ。

それは何かと言うと、名前を付けることよ。

だってこれは悠人の手料理なんだもの、ちゃんと考えてあげないと失礼でしょう?というわけで、

どんな名前がいいか考え始めたのだけれど、なかなか良いものが浮かばないのよね……うーん、どうしようかしら……よし、決めたわ!

今回は、この"サンドウィッチ"という名前を付けてあげることにしましょう。

これなら、きっと彼も喜んでくれるはずだわ、うふふ。

それから、しばらくの間、私は夢中になって食べていたんだけれど、ふと顔を上げると、

「ふふっ、そんなに急いで食べると喉に詰まらせるぞ?」

と言われたので、少し恥ずかしくなっちゃったわ。

でも、それも仕方ないわよね?

だって、本当に美味しかったんだもの……!

その後も、お腹いっぱいになるまで食べさせてもらってから、お礼の言葉を告げると、

悠人が照れくさそうにしているのがわかって微笑ましかったわ。

「ごちそうさまでした、とっても美味しかったです!」

私が満面の笑みでそう言うと、彼は照れ臭そうにしながらも喜んでくれたみたいだったわ。

それからしばらく話をした後、帰る時間になったので玄関へ向かったんだけど、途中で悠人に呼び止められてしまったの。

何だろうと思って振り向くと、そこには一枚の紙切れが差し出されていたわ。

それを受け取った私は、そこに書かれていた内容に目を通すことになったんだけど、そこにはこう書かれてあったの。

【また、いつでも遊びに来てくださいね】

という内容を目にした瞬間、涙が出そうになったわ。

だって、それだけ私のことを気にかけてくれているってことだもの、嬉しく思わないはずがないじゃない。

だから、私も精一杯の気持ちを込めて返事をすることにしたの。

それから数日後、会社帰りに彼の部屋を訪れることにした私は、いつものようにチャイムを鳴らしたあと、

ドアが開くのを待っていたのだが、中から現れたのは悠人だった。

「おう、よく来たな、待ってたぞ」

と言いながら出迎えてくれる彼に、笑顔で応えると家の中へと入った。

リビングへ向かう途中、ふと違和感を覚えたがその正体はすぐに判明することになる。

というのも、部屋のあちこちに見慣れない物が置いてあることに気づいたからだ。

そこで尋ねてみると、どうやら最近買った家具や家電製品などが並んでいるのだということがわかった。

それを聞いて納得した私は、改めて室内を見渡してみることにしたのだが、やはりどれもセンスが良くてオシャレなものばかりだったわ。

そんな中、一際目を引いたものがあったため、それについて質問してみることにしたのよ。

すると、彼は嬉しそうに答えてくれたわ。

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