第24話 私と悠人㉔

でも、今回は運良く助かったけど、もし何かあったらどうするつもりだったのよ!?

それに、あなたが風邪を引いたら私が看病してあげることになるんだからね?

そこんとこ、ちゃんと分かってるのかなぁ……。

まあ、いいや、とりあえず無事に帰ってきてくれただけでも良しとしましょう。

じゃあ、私は夕飯の準備をしてくるから、その間に着替えてきてね!

そう言って台所に向かうと、悠人は申し訳なさそうな表情を浮かべていたわ。

そんな彼を見て、私は思わず笑ってしまったわ。

まったく、しょうがないんだから……。

でも、そういうところも含めて全部好きなんだけどね♡

さあ、早く着替えておいでよ!

今日は悠人の大好きなカレーライスを作ってあげるからさ。

そう言って、私は彼の背中を押した。

すると、彼は嬉しそうな表情を浮かべながら着替えに行ったの。

その日の夜、私たちは一緒に夕飯を食べながら、楽しく会話をしていたわ。

特に、悠人が助けたという女の子の話には興味があったわね。

だって、その子がいなかったら今頃どうなっていたかわからないもの……。

本当に感謝しなくちゃね!

それからしばらく経って、悠人が寝静まった頃、私はあることを考えていたの……。

それは、どうすればもっと悠人に私のことを好きになってもらえるかってことよ!

もちろん、今でも十分すぎるくらい愛されているとは思うけど、やっぱりもっと特別な存在になりたいのよね!

そこで思いついたのが、

「ねぇ、悠人、ちょっと相談があるんだけど、いいかな?」

私は意を決して、彼に話しかけた。

すると、彼は眠そうな目をこすりながら、私の方を見たわ。

「ん? どうしたんだい? 何か悩みでもあるのかな?」

そう言って優しく微笑んでくれる彼にキュンときちゃうけど、今はそれどころじゃない!

早くしないと夜が明けちゃうからね!というわけで、早速本題に入ることにしたの。

まずは、最近の自分の行動を振り返ってみたんだけど、特に思い当たる節はなかったのよね……。

うーん、なんだろう?

もしかして、無意識に悠人に嫌われるようなことをしちゃってたのかな……?

だとしたらショックだなぁ……。

でも、悩んでいても仕方がないので、思い切って聞いてみることにしたわ。

すると、悠人はしばらく考え込んだ後、ゆっくりと口を開いたの。

そして、彼が口にした言葉を聞いた瞬間、私は自分の耳を疑ったわ……。

だって、それはあまりにも衝撃的な言葉だったんだもの!

その日の夜、美咲は一人考え込んでいた。

悠人が言っていた言葉の意味が分からなかったからだ。

(一体どういう意味なんだろう……?)

考えても答えが出ないまま時間が過ぎていく中、ふと時計を見ると既に日付が変わっていたことに気づいた彼女は慌てて布団に入ったのだった。

(明日になったらもう一度聞いてみよう)

そう思いながら眠りについたのだが、翌朝になっても彼女の頭の中から疑問が消えることはなかったのである。

一方、悠人はというと、昨日の一件以来、美咲に対する態度が変わっていた。

今まで以上に優しく接してくれるようになっただけでなく、彼女のことを気遣うような言動が増えたのだ。

その変化に戸惑いながらも、彼女は嬉しく思っていたのだが、それと同時に不安も感じていた。

なぜなら、悠人の態度が変わった理由が分からなかったからである。

そんな中、ある日のこと、彼女は偶然通りかかった公園で泣いている女の子を見つけた。

どうしたのかと思い近づいてみると、その子は転んで怪我をしてしまったらしいことがわかった。

そこで、彼女は持っていた絆創膏を取り出して傷口に貼ってあげたのだった。

「これでもう大丈夫だよ、気をつけて帰るんだよ?」

そう言うと、女の子は嬉しそうに頷いて、帰っていった。

その後、彼女が家に帰ろうとした時、背後から声をかけられた。

振り返るとそこには悠人の姿があった。

彼は微笑みながら、こう言った。

「ありがとう、美咲は本当に優しいね」

彼女は照れながらもお礼を言うと、そのまま帰宅したのだった……。

(もしかして、あの子を助けたことが関係してるのかな?)

翌日、出勤した美咲は同僚に昨日のことを話したのだが、なぜか反応が薄かったのである。

不思議に思っていると、今度は上司から呼び出されてしまったのだった。

それから数日後のこと、美咲は再び公園を通りかかったところ、

「お姉さん、こんにちは!」

突然、声をかけられた。振り返るとそこには、先日助けた女の子が立っていたのだ。

「あら、あなたはあの時の……元気そうでよかったわ」

そう言って微笑みかけると、女の子も笑顔で答えてくれた。

そして、彼女はこんなことを言い出したのである。

「あのね、実は私、お姉さんにお礼を言いたくて探してたの!」

それを聞いて驚いた美咲だったが、すぐに笑顔に戻るとこう言った。

「お礼なんていいのよ?私がやりたくてやったことなんだから」

と断ったのだが、それでも彼女は引き下がらなかった。

そこで仕方なく話を聞くことにしたのだが、その内容は驚くべきものだったのである。

その後、美咲は彼女から聞かされた話に衝撃を受けることになるのだった。

そして、その話の内容とは……?

美咲は彼女の話を最後まで聞くと、しばらく黙り込んでしまった。

それから、ゆっくりと口を開くと、こう尋ねたのである。

「ねえ、それって本当なの?」

すると、彼女は大きく頷いて答えた。

その話を聞いた瞬間、美咲は背筋が凍るような思いだった。

なぜなら、それは自分が悠人に対して抱いている感情と同じだったからだ。

(まさか、そんなはずないよね?)

と思いつつも、一度芽生えた疑念はなかなか消えなかった……。

そんな不安を抱えたまま帰宅した美咲だったが、どうしても気になってしまい、思い切って悠人に聞いてみることにしたのだった。

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