第5話 箱庭(1)
空の色は青ではなく白だった。
太陽が存在しないので、その
当然、夕焼けもない。
俺たちは、自動で動く乗り物を使って移動をしていた。
俺は
形状は舟なのだが、水上を移動するのが目的ではなさそうだ。道沿いに移動するのだが、自動車ほどの
空中を浮遊し、揺れることもなく、一定の
歩くよりはマシ――という程度のモノだ。
役割としては都市間を
雨が降っている間は機能を停止するらしい。
これは箱庭の中の気候が管理されているためだろう。
この舟は箱庭を管理するシステムと『連携が取れている』と考えていい。
つまりは
ただ、動かすためには星霊の力が必要となる。
星霊の力が『電気やガソリンの代わり』というワケだ。
この箱庭は
現状はアテナが居なければ無用の長物となる。
また、起動や操作には
俺からすると
アストレアを見る限り、箱庭のシステムに対し、疑問や好奇心を抱かないよう教育されているのだろう。
〈
みたいな感じなので、非常に面倒だ。アストレアの話によると『
これらの情報から、この世界の人間たちは与えられた環境の中で管理され『生かされている』と推測できる。
幸せなのは、その事実に気が付いていないことだ。
よって、たまに俺のような人間が外から
世界を維持するための
星の力を正しく
俺たちが移動の手段に使っている、この乗り物も『なぜ動くのか?』については解明されていないらしい。
アストレアの話によると、もっと大きな舟も存在するそうだ。
やはり、
それが世界の中心に近づけば近づくほど、箱庭が大きく理由だ。
現状は『
アテナを
(もっと、多くの仲間が必要だな……)
俺たちは小さな村へ
星霊の少女であるアテナを連れているためか、待遇がいい。
ただ、村に住んでいるのは人間ではなく、モコモコの毛玉のような生き物だった。
この世界は星霊の力によって成り立っているので、アテナは信仰の対象となっているようだ。
アストレアは口には出さなかったが、村に
早く
俺は『あと一週間』という約束で
「き、気にしないでくれ」
と口では言っていたが、内心――ホッ!――としているのは見ていて、すぐに分かった。当然、俺が村に
一つは
恐らくは
そうなると、
能力を理解しないまま先に進むのは危険だ――と俺は判断した。
また、
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