第5話 逆転劇(中)

「でお前のいい案ってのはなんだ?」


「それはな、、、」


「ゴクリ、、、」


「カンニングだよ!東矢くん」


「そっかーカンニングかぁ、ってお前何言ってるんだ?普通にカンニングできるわけ無いだろ!」


「僕は正直真っ向勝負は無理だと考えた。そこでだ、お前の力を借りてカンニングできる端末を作ろうって考えたのさ!」


「いやそれ完全におれ頼みじゃねえか!」


「プラグラミングの天童さん、どうか俺に力を貸してくれー」


「その呼び名だけはやめてくれよ」


東矢はプラグラミングコンテストで数々の賞を取ってる天才プログラマーだ。ただ名前を公表していないのであいつがプログラマーと知ってるのは俺ぐらいだろう。


「まあしょうがないな、手を貸してやらんこともないが、、、」


「ないが?」


「いいか、交換条件だ。これから先の学園内での俺の行動に一切目をつぶってくれるなら協力しよう。」


「ああ、約束しよう。」


こいつの情報源は学校においてあるfree−WiFiだろう。まあ知ってる人なんていないだろうけど。

やってることは犯罪スレスレだからな。


「で、どんな端末にするつもりだ?」


「それは決まってる。これだよ。」


そう言うと僕は掛けているメガネを外した。


「ほう、メガネか。先生が疑いにくく取り上げることもない比較的安全なものだな。メガネでやるにはいささかキツイ気もするがどうするんだ?」


「それはお前のプログラムがあるんじゃねえのか?あの自動解析プログラムで行けるんじゃねえのか?」


「あれは完全じゃないからな。試験までに間に合うかわからんな」


試験まであと1ヶ月もない。ハードウェアの方の作成は間に合ってもプログラムができなくちゃ意味がない。


「東矢、お前には悪いが今回の定期試験諦めてもらおう」


「どうやらそのようだな、、」


「よし今日から始めよう!」


「ああ!」


題してカンニング大作戦が始まった。みんなが定期試験を対策している中、俺らはいわゆるスマートメガネの開発に勤しんでいた。僕はハードウェアを作り、東矢はシステムの開発だ。そして月日はたち、試験前日になった。


「今何徹目だ?もうわかんなくなってきたな」


「ああ、やっとハードの方は完成しそうだ。東矢、そっちはどうだ?」


「あとデバッグだけだ。明日俺は休むからお前はもう寝ろ!」


「ああ、そうさせてもらうよ。」


僕はベッドに横になった。そして気付けば朝になっていた。


「今日は快晴だな。東矢は、、、」


そこには完成したメガネとぐっすり眠る東矢の姿があった。


「完成したのか。大丈夫だ。ちゃんと満点取ってくるぜ!」


そう言って僕は足軽に部屋の外に出ていった。

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