第4話 逆転劇(上)

あの西川紫園にいわゆる"宣戦布告"されてから1週間たった。


「お前はあの西川に勝てる必勝法でもあるのか?」


この戦いで負けたら正直彼女に何をされるかわかったもんじゃない。第一僕は学校生活を穏便に過ごしたいのだ。


「おい忍、ほんとになんか勝ち筋あるのかよ…」


「いや、正直全くないな」


「マジかよ。そうそうこの戦いこの学園内で相当話題になってるぜ!もうお前はある意味有名人だな」


「ほんとにやめてくれよ…正直なんで宣戦布告されたか全くもってわからないからなぁ…」


正直なんでこんなことになったのかは全くの検討がつかない。こんなことになってから西川の回りの女子たちにはにらまれ、男子からは応援される日々が続いてる。


「そこ、静かに!」


「すいません。」


これが厄介なのは評点での勝負だと言うことだ。小学校のように5段階評価ならまだしもこの学園は100点満点で評点がでる。副教科も含めて約15科目ほどある。彼女に差をつけられる教科は得意科目の理系科目たちしかない。つまり数字、理科のみ。残念ながら文系科目の出来は壊滅的だ。


「お前の文系科目の出来って終わってるよな?どうするつもりなんだ?」


「さりげなく人の心をえぐるのやめてもらってもいいかな?」


「実際国語と英語はヤバめだろ?社会は一般的だとしてもまあ西川には勝てないだろうな」


「いまはとりあえず文系科目は授業点を落とさないことに限るな」


―昼休みー


「お前にいい知らせと悪い知らせがある。どっちを先に聞きたいかい?」


「じゃあ悪い知らせからで」


「これは学校の情報筋からの話なんだか西川はこの学年にテストを受けて見事首席で入学したらしい」


「それはホントなのか?」


「ああ、確かな情報だ」


「それは相当やばいな」


この学校には招待状を持っていない人でも入学できる入学試験というものが一応存在している。しかしその枠はたったの10人。そこに約800人近い応募者がおり、その中で首席だと言うことは天才だと言うことも確かだか、彼女が学園の先生から好印象を持たれていることが確実である。


「で、お前にとってはいい話だが」


「西川は理系科目、取り分け理科のみ不得意らしい。逆に言えば文系科目はめちゃくちゃ得意だと言うことでもある」


「いや、それはとてもいい話だな」


もともと文系科目で勝負できるとは毛頭思っていない。ただ、理系科目ではある程度の差をつけられると言うことだ。

あとは文系科目を何とかすればいいわけだが…


「文系科目どうするかなぁ…」


「お前は文系科目がなぁ…」


正直完全に手詰まりなところがある。あとテストまで一ヶ月もない。こっからやれることはひとつしかない。


「東矢、ちょっと俺の発明に付き合ってくれないか?」


「おっと、何を考え付いたんだ?」


「それは内緒だかこれを作ればなんとかなるかもしれないぞ」


「おっとこれは面白いことになりそうだな!まあ付き合ってやるか!」


ここから俺の逆転劇のスタートである。


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