第3話 どうしてこうなったんだ
僕らがこの学園に入学してからかれこれ1ヶ月がたった。僕らは平和な日常生活を送っていた。
「この生活が平和だなぁ、何て思ってないだろな忍?」
「思っていた通りの学園生活が送れてて平和だよ東矢。だれにも絡まれず、静かに生活する日々、まさに平和そのものじゃないか?」
「なにいってんだよ、青春ってものをお前は知らねえのか?俺らは青春と真反対の生活送ってるんだぞ?」
僕としては正直母さんがこの学園に関係してる以上親友と呼べる友達をこの学園で作るつもりはない。まあこの事は親友の東矢にも言えてはいないのだか…
そんなときだった。一人の女子学生が僕に近づいてきた。
「あなたが川谷忍ね。私の名前は西川紫園、よろしく。」
「…よろしく。」
「お前どうしたんだ?こいつと仲良かったのかよ…」
「いや、別にそういうわけじゃないんだけど…」
「西川は正真正銘のお嬢様だぜ?親が確かグループの会社の社長らしくてないわゆる社長令嬢らしい。しかも容姿端麗だからうちの学校では一番人気なのさ」
「お前よくそんなこと知ってるな?」
「こう見えてもこの学校のことは色々知ってるんだぞ!まあ情報だけは持ってるからな」
その情報がどこからなのかは聞かないでおこう。
「で、この僕になんのご用?」
「あなたに宣戦布告するわ、今度の学期末テスト及び学期末成績で上位だった方が負けた方の言うことをなんでも聞く、ということで。拒否権はあなたにないわ」
「ちょっと待ってくれ、なんでこんなこと…」
「待たないわ、せいぜい頑張ることね。」
ど、どうしてこんなことになったんだ…
そう言うと、彼女はスタスタとこの場を去っていった。周りからは驚きと戸惑いの目を向けられていた。
「お前あいつに何かやったのか?」
「いや全く。第一友達付き合いなんて全くしてないから理由がわからん…」
「漫画のお決まりの展開みたいになってるけどお前大丈夫なのか?成績は?」
「まあ何とかしてみるさ、でもテストはなんとかなったとしても成績はなぁ…」
テストは点数がつくから比べやすいが成績は先生の印象で決まってしまう。明らかに彼女の方が有利だろう。その上彼女はグループの人間。学校側にも圧力がかけられるから僕は非常に不利だ。
「まあせいぜい頑張れよな親友よ!」
どうしてこうなったんだろう…
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