第1話 新しい生活の始まり
「ピピピピ、ピピピピ…」
朝のタイマーの音に導かれて、僕は目を覚ました。
[それにしても昨日のあの夢は何だったんだろう、ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ、入学式早々遅刻しちゃうじゃねえか!」
僕の名前は川谷忍。ごく普通の高校1年生である。両親がレイドグループの幹部であることとこれから通う学校が国立鎌川学園であることを除けば、、、。
両親の勤めてるレイドヒルグループはスマホから家電、軍事産業に宇宙開発事業などありとあらゆる分野で世界をリードしている大企業だ。その本社はここ「新京」にある。今から5年前の2093年。世界中に火星から隕石が降り注ぐ未曾有の大災害が起きた。通称「火星隕石群」と呼ばれている。その被害にあった数多くの都市の一つがここ東京だ。東京23区の90%以上が隕石によって崩壊し、残った土地を再開発して作られた新たなる日本の都市が「新京」というわけである。そしてその再開発の一環として作られたのが僕の通う鎌川学園を含めた3つの国立の学園をおもに形成された学園都市である。この学園は国からの招待状がないとほぼ入学することができないことから「幻の学園」と言われている。
「何ぼっけっとした顔で歩いてんだ忍?お前そんなに朝に弱かったのか?」
今僕の横でごちゃごちゃ言ってるこいつは上ケ谷東矢。僕の幼馴染だ。
「久しぶりだな東矢。何か月ぶりだ?」
「たったの3か月だろ?なに、俺に会えなくてさみしかったか?正直に行っていいんだぞ?」
「そんなはずないだろ?別にお前がいなくてもさみしくなんかねえよ。」
「つれないこと言うなよ〜。俺泣いちゃうぞ?」
「勝手に泣いとれ」
そんなことを言っているうちに学園についてしまった。
「これが幻の学園か…。それにしてもすごいな。」
[川谷忍。認証しました。]
「なんだいきなり!?」
「お前知らないのか?この学園のセキュリティはすべて最新のAIが管理していてな、学校中の窓やドアなどを一括で管理してるんだってよ。どこに誰がいるかすら一瞬で判断できるらしいぜ?」
「そうなんだ?でもこの学園にそんなセキュリティいるか?ただの学校だろ?」
「なにせこの学校は日本の最高峰を誇る学校だから。他国に誇れるようにいろんな機能詰め込んでるんだろ。確かこのセキュリティAIもレイドグループのお偉いさんが作ったって岩佐だけどな」
「そうなんだな」
なんか金の無駄遣いな気がするけどな。ここに研究機関でも秘密保持機関でもあるわけじゃないのにな。まあそんなこと気にするようなことじゃないか。
「なにぼーとしてんだ?早くしないと入学式始まっちまうぞ」
「そうだな!楽しんでいこうぜ」
さあ、ここからぼくらの新しい生活が始まるのだ
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