ダイモスの奇跡
九官鳥
プロローグ
「..........」
なんだろう、このどこか聞き覚えのある声は。
「.........,覚まして!」
この声はどこから聞こえてくるのだろうか?
「........,目を覚まして!」
[めんどくさいな。もう朝か…]
僕はその声に呼ばれるように目を覚ました。
そこはいつも僕が見ている風景とはかけはなれていた。周りは火に囲まれ、前には記憶にない、けれどどこか懐かしいような気がする女の子がいた。
「今すぐここを離れないと。早くこっちにきて。」
僕はその女の子に言われるがままこの場から離れた。ふと周りを見渡すとこの光景に見覚えがあるような気がした。
「ここは…東京?」
ふと口から言葉がでた。するとその子は
「そうよ。まさか今の衝撃で忘れたなんて言わないでしょうね!?」
と言ってきた。この子はやけに僕に馴れ馴れしいように感じる。君は僕にとって赤の他人なんじゃないのか?聞きたいことは色々あるが今はここからどうやって逃げるかが重要だ。ここはうまくうけながそう。
「…ちゃんと覚えてるさ。それにしてもなんで僕らはこんなとこにいるんだ?」
僕はとっさにそう言い返した。あれ僕いま余計なこと入ったかも…。
「あんたおもいっきり忘れてるじゃない!
いい、私たちは旅行で東京にきてたの!そしたらいきなりこんなことに…」
ふと空を見上げてみるとそこには圧巻の光景が広がっていた。空には光輝く数えきれないほどの流れ星があった。
「あれは流れ星?」
「そんないいもんじゃないわよ。あれは隕石よ。いまここがこうなってるのも全部あれのせい。昨日までこんなことになるなんて誰も予想すらしてなかったのになんで…」
隕石だって?それなら確かに納得がいく。
でも誰も予想ができないなんてことあるのか?今の技術だったら隕石がいつ地球に到達するかぐらい簡単によそくできるはずだろ!でもいくら考えても無駄だろう。この悲惨な状況を変えることはもうできないのだから。
「これからどうするんだ?地上は隕石でどこも火の海だろう?」
「ひとまず地下に入りましょう。もう少しで地下鉄の駅があるはずだから、そこから…」
その時だった。空から隕石がこちらに向かってくるのが見えた。
「危ない!!」
僕はとっさにその女の子をかかえてその場から逃げようとした。しかし現実はそうは甘くなかった。隕石の速度は非常に速い。僕らは思いっきり爆風に飛ばされた。
気づいたら僕とその女の子は倒れていた。しかもその子は瓦礫の下にいた。
[早くあの子を助けないと…。そうしないと彼女が…]
あれ?なんで僕はあの子にこんな感情を持ってるんだろう?第一彼女は赤の他人のはずなのに…。そして一体彼女は誰なんだろう。
ああ、このまま僕は死ぬのだろうか…。僕の人生何もできなかったな。すべて人助けして死にたかったな。
僕はそう思いながらゆっくりと目を閉じた。
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