駄作短歌集~ 短歌・俳句コンテスト ~二十の短歌に想いを込めて~

哉子

「あの人」達へ

その声に引き寄せられて魅せられて

枯れた耳に癒しが張り付く


抱き寄せて 打ち解けられて 踏み込んで

歩幅合わせて 進んで泣いて


変わりゆく穴だらけの愛 積み上がる

崩れるピース 散らばる思い


投げられた 心を抉る 黒言葉くろことば

いたこの胸 泣いて叫んだ


うわごとに あの人の影 浮かび出し

未練の髪は 今もたばねる


最後まで心も金子きんすも奪われて

それでも恨む事も出来ずに


歌に乗る名前のまだ無い物語

名付けてくれた 偶然の男性ひと


聞こえるはウクレレのと乗せる声

染み入る心は歌詞を贈る


聴き入って心をつかれ 気がつけば

その歌声に縋っていたの


ウクレレを手にした理由 よこしま

貴方の隣で弾き語りたい


少しだけ隣にれた気がしてた

語り合うとき 至福の時間


離れゆくあの人は遠くウクレレも

置きっぱなしで違う世界へ


透明な壁をへだてて話しては

「そうじゃないの」と泣き崩れゆく


前を向く貴方の後ろ 私だけ

振り向く事は無いと悟った


さよならを告げる代わりにう歌を

今でも頭に流れています


涙して「あの人」を写し書き込んだ

私の本に心を仕舞う


書き込んで創った「あの人」現れて

駄目と分かって求める両手


あの人は優しく強く弱い人

その心ごと抱きしめたくて


淋しさと身体の熱を分け合った

少しのずれた心は見ずに


今までの影を創りて閉じ込めた

「あの人」達は 私を置いて

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