第3話 自分に対するプレゼン
「僕は確かに浮浪者ですが、働く気持ちはあります! なんでもいいから仕事をください!」
ムチャクチャにはできる様子がないので僕は嘘を思い切りついた。
やる気を前面に出し、働く意志をこれでもかと強調する。
それは嘘。僕は働きたくなんてない。ただ、それでも働くために僕はキッパリ言ったんだ。魔王になる僕には今を駆け上がるための石段が必要だった。
「そんなこと信用できますか? 浮浪者は浮浪者です。あなたに依頼なんてできませんよ。でぶだし。でぶだし。でぶだし!!!」
ぶひっ!?
でぶって3回言われた。それに、プレゼン効かんジャン。
僕は人生をクソゲーしたい。生きるためにへばりつく仕事なんてまっぴらごめんこ。
ただ、生きるために人は死に掛けの骸骨猫チュルリで踊るんだ。ザバルハートの渋谷地下舞踏会を夢にながら。
ここはクソゲー展開で笑わせないと。僕のクソゲー魂がすたる。
「あの・・・ロリコンフィギアをプレゼントします。なんとかしてくれませんか?(にこり)」
「いや、いらんし(にこり)」
ぶひっ?
死んでも離さないつもりでいた僕の魔法少女フィギアのわいろが効かない。
ぷぅ
「屁をするなっ」
力みで屁が出た。
今、目の前の人との関係を操ることができない。
それは与えられた僕の持つコミニュケーションカードの中で、必要なファクターだ。
うーーん。なかなか受付嬢のガードを崩せない。受付嬢と一緒にぱんぶーダンスを踊りながら、お人形ラーメンを食べて笑い合う展開に持って行きたいのに。
人生を魔王として生きるためには、どうしても、どうしても、今、現実の壁を突き破らなきゃならない。滑稽に見える常識という名の偽善者の振りをしながら、
僕は戦い始めなきゃならないんだ。今だけは。勝って勝ち上がるために。
・・・どうしよう。このままだと、僕は浮浪者扱いで仕事をせずに野垂れ死にだ。
僕は選択を迫られた。
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コマンド選択
1・このまま死んでやる!!! あんたの目の前でな!!! と言う。
2・助けてください。僕は腹が減って死にそうなんです。・・・と媚びる。
(BAD END)
https://kakuyomu.jp/works/16817330658204760533/episodes/16817330658207541486
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