芽吹、やがて、紅葉となりて。

鈴ノ木 鈴ノ子

めぶき、やがて、こうようとなりて。

やわらかき 新芽を育み 愛しんで 十月十日に 芽吹を魅せる


萌出でる 新芽は春に 守られて 心地よい風 あやして回る


薄き色 染まるは先ぞ いまはまだ 注ぐ思いに 薄く輝く


しずくいろ ゆらゆらゆれて おちつかず 小さな背丈 初めての園


つどいあい 優し光に 導かれ なかよしこよし 友葉と揺れる


あそびたる 若葉の一つ 目に留まり 初めて話す 頬染めながら


重なりて 日々を掛けたる 二枚葉は 仲睦まじく 笑みが零れる 


すれ違い 互いにぶつかり 葉裏みせ 心身ともに 梅雨空模様


きっかけは 些細な事と 知りながら 悩み苦しみ 抜ける色合い


風の神 二葉を揺らし 背中押す ごめんなさいと 葉擦れの音が


太陽の 微笑み浴びて 葉が背負う お揃い帽子 黄色が映える


育ちゆく 二葉の姿 性を変え 好きと愛とを 学び始める


葉が騒ぐ 競い合いでの 応援に 互いの声で 二葉ゆれあう


風の旅 故郷を離れ 皆で行く 夜のひと時 思いを告げる


叶い合い 通じた想い 忘れずと 若葉はやがて 青葉と変わる


青い春 二葉の笑みは 輝きて 見惚れ合うのは 仕方なき事


色悪く 一枚の葉は 力なく 病に侵され へたりと垂れる


寒風に 揺れる葉衣 ともし火に 片葉涙し 恐れ戦く


白い春 枝鳴り響く 木々の間に 恋色二葉 寄り添い遂げる

  

二葉より 若葉生まれて 葉音増え 木々の住処に 幸福が響く





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芽吹、やがて、紅葉となりて。 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki

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