第2話 「ヘンな短歌」を作ったひと
宮沢賢治というとやっぱりまずは詩(口語詩)と童話の作家だと思われているのではないでしょうか?
いや。
私もそう思っているのですけど。
それ以外に文語詩とか短歌とかも作っているのです。
賢治は、口語詩や童話をたくさん書くようになる前の学生時代には短歌を多く作っていました。また、病気がちになった晩年には、「文語詩」という、七五調や七七調の文語の詩を作るのに力を入れました。
でも、文語詩や短歌は、詩(口語詩)や童話からすると、だいぶ知名度が落ちます。
戦後の賢治論の基礎を築いたような文学者でも、『春と修羅』の詩や「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」を基準に他の作品を評価するとか、「雨ニモ負ケズ」を基準に他の作品を評価するとか、そういう論じかたをしてきました。
そういうことをやっていると評価からこぼれてしまう作品群の代表が短歌と文語詩かな、と思います。
初期の短歌は「若書き」で未熟で文学的価値が低い、晩年の文語詩は創作力が衰えて日本の伝統に安易によりかかっている、という評価になってしまう。
しかも、賢治の短歌は「ヘンな短歌」が多いので、「未熟」とか「つまらない」とか言われてきたらしいのです。
ところが、私は、そういう評価を知る前に賢治の短歌を読む機会がありました。
そして、「なんだこれは?! とってもヤバげでおもしろいじゃないか!」と思ってしまいまったのです。
そのうちの何首かをここに紹介したいと思います(なお、ところどころ書き改めたり()で漢字を補ったりしています)。
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