第139話 押入れ


押入れの戸があいたままになっていて

なんとなくそのままにしている

昔からなぜか子どもたちはそこが大好きで

気づいたらよじ登って入っていた


ドラえもんかよ


押入れってたぶん夢のスペースだ

大いなるドラえもんの影響で


単にお客様用布団が入っていたり

季節外れの服が入っていたり

実際は面白みのない現実だけれど

憧れの個室感とか冒険感とか

そういう意味で偉大だな、押入れ


もうぼちぼち入れないくらい

子どもたちは大きくなった

それでもまだたまによじ登ってるけど

相変わらず私はそれを見て

転げ落ちないか心配してる


押入れ、ドラえもん、夢の場所

一家に一つそんなのがあるのも

案外いいんじゃないかと思っている



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