第138話 水たまり


昨日からの雨が止み

道はしっとり濡れている

しぶきをあげる車を

見送りながら私も

側道の水たまり

跳ね上げながら歩く


いつからか水たまりは

避けるものになっていた

でもたまには自分から

はまってみるのもいいでしょ


じゅくじゅくの靴下が

どうにも気持ち悪いけれど

むぎゅむぎゅとなる音が

なんかおもしろいから許す

履き替えたり乾かしたり

着いてからが面倒だな


バシャっと足を突っ込む

ああなんか馬鹿みたいだ

ちょっと寒くて冷たくて

憂鬱なのに愉快

そんな水たまりを踏みつけ

私は今日を歩く


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る