第6話 恩人
俺は決意をもったは良いものの何をすれば良いのか分からなかった。
俺は宛先もないので独りで薄暗い通りを歩き続けていた。
この道は裏路地のため人も少なく、ここにいるような人は盗賊などの裏社会の奴らだった。
俺は盗賊にも到底かなわないため、避けて道を進んでいた。
気がつけば3日も経っていた。
俺は空腹のあまり道端で吐いていた。すごく気持ちが悪い。
俺は食べ物を探した。
(何か…食べれるものを…)
水は幸い雨が降ったため雨水を貯めるものを作りそれで何とかしていた。
だが、食べ物はなかなか見つからなかったため空腹でいまにも死にそうだった。
その時、俺は苦しんでいたため目の前の盗賊に気づかなかった。
俺はそのまま盗賊の1人にぶつかり俺は倒れた。
盗賊は、
「なんだこのガキ?」
と俺を見ながら言った。
俺はその瞬間盗賊だと気がついた。
盗賊は
「このガキどうする?」
「すげぇ弱っちそうな奴だぜ」
「だけど俺らの会話聞かれたかも知れねぇぜ?」
「やっちまうか?」
と恐怖で立ち上がれない俺を見ながら話している。
盗賊は3人いる。
この3人はどうやら俺が何かこいつらにとってまずいものを聞いたと思っているらしい。
もちろん俺は空腹の苦しみでそんなものを聞く余裕などなかったため何も聞いていない。
俺はここから逃げ出したい一心で声を振り絞った。
「…僕は…何も…聞いてません…」
俺がこういうと盗賊は
「こう言ってるみてぇだし何も聞いてねぇんじゃねぇの?」
「バカ、こう言って嘘ついてるかもしんねぇだろ。もし聞いてたらどうすんだ。」
「もし聞いててもこいつそろそろ死ぬんじゃねぇか?」
などと話している。
確かにこのままなら俺は確実に死ぬだろう。
だがこのままではまずい。そう思った時、盗賊の1人が
「………売るか」
と言った。
俺は
(…まずい、もし売られたら死ぬかもしれない…)
と思った。
だが、他の盗賊も売るのに賛成のようだ。
そしてついに俺は3人の盗賊に囲まれ連れていかれそうになったその瞬間、
「待て!」
と大きな声が聞こえた。
全員が振り返るとそこにはゴリラのような大柄の男がいた。
「お前達何をやっているんだ!子供を拐って何をする気だ!」
と大柄な男が言うと、
「あぁ?てめぇ誰だ?」
と盗賊が言い返した。
大柄の男は
「俺は武器屋を営んでいるものだ!」
と言った。
「てめぇが誰だか知らねぇが邪魔するやつには死んで貰うしかねぇなあ!」
「いいぜ、かかってきやがれ!」
と3vs1の戦いが始まった。
俺は盗賊にいきなり捨てるように落とされた。
すごく尻が痛みながらも、俺はこの戦いを見届けた。
戦いは3vs1でありながら、武器屋の男は圧勝だった。
この男は見た目からは考えられないようなきれいな剣さばきで相手を翻弄していた。
戦いが終わると武器屋の男は
「大丈夫か?坊主?」
と心配してくれた。
俺は、
「何か…食べ物を…くだs…」
と言い、今までの疲れからか気絶してしまった。
気がつくと見知らぬ場所にいた。
(ここは…何処だ?…)
と俺が困惑していると、
「お、よお坊主、起きたみたいだな」
と、武器屋の男が部屋に入ってきた。
俺は
「ここは…何処ですか?」
と聞くと
「ここは俺の店の休憩室だ」
と説明してくれた。
そして男は
「そういえばお前腹減ってんだよな?」
と言い、ご飯が置かれている方を指さした。
男は
「あれはお前の飯だ。好きに食っていいぞ」
と言うと、俺はそのご飯にがっついた。
すると
「すごい食いっぷりだな。そこまで腹が減ってたんだな」
と言った。
そして男は
「お前、帰る場所は?」
と俺に聞いてきた。
俺は
「…無い」
と答えると、男は何も言わず、
「そうか…」
と言った。
そして同時に男は
「互いに1人ってことか………じゃあ…俺らは今日から仲間だ。」
と言った
俺は
「…うん」
とだけ答えた────
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