第4話 秘密の特訓

俺はこの後、下にあった街まで送られた。

この街ではどうやら「俺が居ない」と大騒ぎになっていたという。


そしてこの世界で驚いたことが2つある。


まず、俺はこの世界の中でもトップクラスに有名な貴族のお坊っちゃんだということ。


そして俺が一番驚いたのは、あの俺を助けてくれた若い男は

第6代目勇者

ビーター・アーマード

という「現・勇者」であったということだ。


ビーターはたまたまこの街に来ており、騒ぎになっているということで協力し、たまたま森の方で俺を見つけたという。


あの人がいなかったら一体どうなっていたやら。


まあそんなこともあったが、騒ぎはひとまず治まった。


帰った後俺は壮大に出迎えられた。


家はものすごい大きさで、メイドなどの使用人も大量にいた。正直何をしなくてもよかった。


何をしても至れり尽くせりなので、正直幸せよりも申し訳ないのと鬱陶しい気持ちのほうが強かった。


そんな大貴族に生まれた俺の名前は

ソード

というらしい。

この名前は、剣のように鋭く長い刃のような人になってほしいという意味のようだ。


俺はこの生活に不満を感じながらもこの世界を過ごした。


そして3年後の8歳のことだ。


俺は3年たってもあの憧れは消えていなかった。


この世界には冒険者という職業もある。


俺は勇者にならなくても冒険者になると決意していた。


だから俺は誰にもバレないように密かに独学で剣の特訓を始めた。


その特訓は順調でそこからさらに3年後の11歳のこと。


俺はその日も密かに特訓をしていた。


俺は今までの成功で油断をしていたのであろう。


俺が剣の特訓をしている時、剣を振ったタイミングで手が滑り剣が回転しながら手の届かないところへと刺さってしまった。


「げっ!…」


そして剣が刺さった勢いでとても大きな音が鳴った。


その瞬間家内からドタバタとした音が聞こえた。


どうやら音が家に響き大騒ぎになっているっぽかった。


「まずい!…」


俺は急いで剣を取ろうとした。


いろんな手を使いやっと

「取れた!」

だがその瞬間、部屋のドアが


───ガチャ…


と開く音が鳴った────

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