羊雲 追う背並ぶ背 睦まじく 集い重ねて 恋うは夕暮れ

青に白の水玉模様の空が広がる

陽の光の下群れる姿が

わたしにはどこか眩しく思える


寂しいとは思わない

この手に繋がる温もりがあるから


寂しいとは思わない?

この胸に秘める冷たさがあるのに


人が行き交う交差点

蒸せるほどの人の熱気も

仮初めのものにしか過ぎなくて


ねぇ、ひつじ

風に吹かれて重なり合って

一つでいられる今は幸せ?


たくさんの同輩に囲まれて

誰に気兼ねすることもないまま

陽の光の下歩いていける


あなたの今は誰よりも幸せ?


山向こうに沈む陽が

あなたに代わって教えてくれる


温もりだけのオレンジじゃなく

燃え上がるような赤い色

それはまるで朱殷しゅあんにも似た


あなたもわたしと同じなんだね

そう思えると

わたしの心もこの空に染まった

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