第二章

運命の再会?編

プロローグvol.2

 僕達が階級の星を貰った日、仕事は休みなのでアミアルと街を見物して回った。そして、仕事をした日とはまた違う疲れを感じながら僕達は眠りについた……





 「う、ううん……」


 なんだか息苦しさを感じて身動ぎする。でも息苦しさが解消されない。

 一体なんなんだよ……

 内心嫌々ながらも目を開ける。すると……

 布団を被る僕の上にアミアルが座っていた。その顔は僕に微笑みかけている。


 「え、ちょ、アミアル!?」


 今の出来事で完全に目が覚めた。それにも関わらず今がどういう状況か全く分からない。


 「ふふ、おはよう、ウェルズ君」


 ん? この喋り方には聞き覚えがある……まさか?


 「もしかして……カフィア?」

 「ん、正解〜」


 ああ、なんだ、よかった。普段アミアルはこんなことはしないからね。


 「でも、どうして今?」

 「前、またいつか会おう、って言ったでしょ? だからまた次いつ出てこようかな、と思ったけど……やっぱりウェルズ君と会いたいから、出てきちゃった!」


 いや「出てきちゃった!」ってなんだよ……そんな簡単にアミアルと意識を入れ替えられるものなの?


 「だから今は……」

 「うっ……!?」


 いきなりカフィアが僕の上に寝そべった。カフィアの顔が僕の間近にある。


 「ウェルズ君と、二人きりの時間を……ね?」

 「え……ええっ?」


 僕は珍しくパニックになっていた。今までギルドで仕事をしてきてわかったことだけど、ひょんなことから記憶の一部が戻ってくることがある。まあ、その後すぐに忘れちゃうけど。でも、今回の場合も結構ピンチ(?)な状況なのにそういった記憶が全く戻ってこない。恐らくこんな感じの経験が全くないからだと思う……


 「えっ? わっ」

 「カフィア?」


 いきなりカフィアの身体が痙攣したかと思うと、いきなり隣のベッドまで吹っ飛んだ。


 「ちょ、ちょっと! アミアルちゃん! 一体どういうこと!?」

 「それはこっちのセリフだ! 勝手に私の身体で何をしているんだ!」

 「でも前『貸して』って言ったら『いいよ』って言ってくれたじゃん!」

 「それはあの時の話だ!」

 「だってぇ、だって……」


 僕はこの光景を呆然と見ているしかなかった。

 いや、だってあれだよ? 今話しているの同じ人だからね? まあ人格は違うけど……

 かなりシュールなことになっているのは間違いない。

 そんなことを考えているうちに、二人(一人?)の言い合いは続いていた。


 「そもそも、私の許可なく相棒に触るな!」

 「私はウェルズ君に私の全てをあげたの! 私はウェルズ君のものなの! つまりウェルズ君は私のものなの!」

 「何を脈絡のないことを……今のこの身体の持ち主は私のはずだぞ!」

 「んもぉ……アミアルちゃんのばかぁ!」


 と、ベッドの上でバタバタしている。

 うーん、カフィアってこんな感じの人だったっけ……?

 とりあえず、なんだか巻き込まれそうなので僕は朝ご飯を食べに行こうかな……

 僕がその場から離れようとしたところで、僕は何者かに肩を掴まれた。


 「どこへ行くつもり? 逃がさない」


 何故か僕にはその声が二つ重なって聞こえたように聞こえた。

 それと同時に僕の顔からさあっと血の気が引くのを感じだた……

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