王女の誇り
「なんだぁ!ここわ!」
「女のためのらしいぜ、ケ!女なんて男に従っていればいいんだ!」
外からまぎれもなく『癒しの家』を
「『癒しの家』だと、こんなものぶっ壊せ」
「おお!やろうぜ」
思わずフィザリスは立ち上がろうとしたナターシャがそれを制すると
「ディーンお嬢様をお願い」そう言って外へと出て行った。
外で言い争っている声が聞こえ我慢できなくなったフィザリスは自分も外に出た。
ナターシャが一生懸命相手しているが相手が女だということで暴漢達は調子に乗っているようだった。
「ディーン何かの時は守ってね」王女はそう言うと
「静まりなさい!!」
「なんだぁお前わ」
「この家の創設者よ、さっきから女がどうのこうのと言ってるけどその女がいなと男は生まれてこないのよ、解ってるの!」
「ケ!お前も女だろう何様だよ」
「私、女だからと言われるのが一番嫌いなの!文句があるなら王宮にいらっしやい!」
「王宮だと(笑)おいおい、勝手にそんなこと言ってたら捕まるぞ!」
「捕まるわけないじゃない、私は王の娘、フィザリス王女、この国の後継者!これ以上『癒しの家』に手を出そうとするなら容赦はしない!」
「王女だと・・・そんな馬鹿な・・・」
暴漢達が唖然としていると兵が暴漢達を取り囲んだ。
「王女様に対する暴言で捕縛する」暴漢達は抵抗できず連れていかれた。
「ふー」フィザレスは息を吐きだした。
「ディーン兵なんか配置していたの?」
「ああ、お嬢に解らないようにいつも配置していた」
「中に入りましょう、騒ぎになったようだから」ナターシャがそう言った。
「あーあ、私が王女と宣言しちゃった。これから来るの難しくなるわね」
「そうだな、お忍びと言うわけにはいかなくなる」
「でも、ナターシャが危なかったし、あいつらの言ってること頭に来たし、どうしようかな、困ったわ」
「でも、これでよかったかもしれません。王女様のお考えでこの家が造られたとなったら下手に手を出す者もいなくなるでしょう」
「お嬢、もしかして考えていたのってこれだったんじゃ?」
「ええ、民の意識も変わらないとうまくいかないでしょう。どうしたらいいかと思っていたんだけど、それもあってあんなことを言っちゃった」
ディーンはなんとまあ、かわいい事言うかと思ったが
「お嬢、言ってしまったことはしょうがない。王に報告して堂々とここに来れるようにしたらいい」
「堂々と?」
「ああ、伴を連れて視察と言うことでさ」
「あ!それならここに来れるのね」
「そうすれば王族の息がかかっているという事で面倒も起きにくいし協力も得られやすいだろう」
「解ったわ、帰ったらお父様にそう言って許可をもらうようにする」
「もう城には報告が行ってるだろうから、今日の所は帰るか?」
「そうする。ナターシャごめんなさいね。面倒にしてしまって」
「とんでもありません。お嬢様がご無事でなりよりでした」
「ありがとう、ディーン帰りましょう」
フィザリスは晴れやかな顔でそう言った。
ナターシャに見送られ二人は城へと帰って行った。
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