ディーンの提案
「女であることが変えられない理不尽と、王女だから周りが大事にしているように感じていたか。お前自分自身を見て欲しいんだな」
「そうかもしれない。母を知らぬし、兄弟もいないから同じ年頃の子供と遊んだ記憶もない。父は忙しかったし、周りに人がいたから子供の頃はあまり考えたことは無かったが、近頃は何となく自分が不確かなものに思える。人として歪んでいるような」
「ま、肉親が側にいないとそうなるかもな、で、責任を果たすことだけを考えていた訳か」
「そうなるか、うん、そうだな。それしかなかったというのが本音かもしれない」
「お嬢よ、性別は変えられないし、王女と生まれたことも変えられない、変えられないことをいくら言ってもしょうがない。変えられることもあるんじゃないか?」
「変えられること?」
「女が子を産み命を落とすことがあるのは確かだ、だが、それを少しでもなくす努力は出来るんじゃないのか?民にはその力はない。だが、次期国王であるお嬢にはその力があるのではないか?」
「私の力?」
「ああ、城には侍医もいるし、経験者も多い。情報を集めれば何かできることがあるだろう」
「人が死なないために、私が出来ること?」
「人は弱いし、病気やけがで命を落とす。そういう人を手当てしたりする場所を作るとかそうゆうことだ。知識や財力がいる。お嬢しか出来ない。怖いのならをれを怖がらなくても済むようにすればいいだろう、逃げてばかりでは何も始まらない」
「逃げる・・・。そうかもしれない。今までそうゆう考えがあることも思いつかなかった。人が死なないよう知識を集め手当てをする場所を作る。それはいいかもな」
「それと、今日連れていったところはすべて城の為にあるものだ、城を動かすのはそこで働いている人もだが、色々なところで物を造ったりしている人がいる。民の力があってこそ城は存在できるんだ、それを忘れないで欲しい」
「そうだな、城もそうだが国も民あってこそ存在できる。地位に
「それが解ってくれただけでも連れ出したかいがあった」
「なんかいろいろと勉強した気分で、頭がパンクししそうだ。が、今まで考えられなかったことを知ったんだ。これを突き詰めていかないと。次の時代の為に。ディーン色々気づかせてくれてありがとう」
「え!お嬢が素直に礼を言うなんて、明日雨でも降らなきゃいいが!ま冗談はさておきそろそろ帰ろう。あまり長くなると城の者が心配する」
「そうだな、帰ろうか」
二人は片づけをすると、城へと戻った。
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