翌日

翌日ディーンは王の部屋に呼ばれた。

「ディーンです入ります」部屋に入ると、王と、王女がいた。

「おお、ディーン、昨日は王女を助けてくれてありがとう」

「当たり前のことをしただけです。今日は何用でしょうか?」

「そうだな、ディーン、王女の付き人になってはくれぬか」

「は?!」

「私が言うのも何なんだが、王女は馬には乗るし剣も使う。城に閉じ込めておこうにも昨日のように勝手に出て行ってしまう。閉じ込めることが出来ないのであれば伴を付ければいいと思ってな。昨日の働きからしてディーンが適任と思うのだが、どうだろう」

「どうだろうと言われましても・・・」ディーンは言葉を濁す、王女は伏し目がちで顔を上げようともしない。

「王女様はどうお考えなのですが?伴に付くと言っても昨日のように私の言うことを聞かないようであれば危険なのは変わりませんよ」

「私は…」言葉が続かない。

「王様、王女様が私が伴に付くこと、外では私の言うことを聞くことを承知しなければ城の外で何が起きるかわかりません。もう少し話をなさってください」

「それはそうだな、もう少し考えよう。王女が承知すれば伴に付いてくれるのだな」

「はい」

「解った、また連絡する。ご苦労だった」

それを聞くとディーンは立ち上がり一礼すると部屋を出て行った。


王は王女に向かって

「いつもの威勢はどうしたのだ、ディーンでは役不足だと言うのか?」

「いえ、そうではありません」

「なら何なんだ、あんな態度を取るなんて」

「自分でもよくわからなくて、ごめんなさい」

王は王女の様子がいつもと違うのに気がついた、ディーンがいたからか?ならば何としても伴に付けさせないと。

「ディーンは外で言うことを聞いてくれれば伴に付くと言っている、それに不満はないのか?外に行きたくはないのか?」

「行きたいです。城の中は退屈だし、外を見てみたい。民の暮らしを知りたい」

「ならば、ディーンの言うことを承知しろ、そうすればそなたの願いも叶う」

男の言うことを聞くなんて、でも、でも、王女ははた目にもうろたえて見えた。

「すぐに答えを出せとは言わぬ、だが、昨日のことがあったのだ、一人で城を出ることは許さんからそう肝に銘じておけ。お前はこの国を継ぐという責任があるのだ」

「解りました」王女はそう答えた。




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