第11話 西門の謎を解いたのに……
最初に飛ばされた場所、西門に戻ってきた。
気づけば、空はオレンジ色に染まっている。
わたしはカード挿入口に、おじいさんにもらったカードを差し込んだ。
すると東門のとき同様、画面に何かが表示された。
「5つの〇――ってことは」
「マークは、5丁目1番地の1から【〇△☆◇×】の順だったよ」
「じゃあ、〇が1、△が2、☆が3、◇が4、×が5だとして、住所が【5丁目4番地の12 第3工房】だったから――×◇〇△☆。これを反転させて……」
タブレット端末に表示されているマークの順番を変え、【ENTER】を押す。
これできっと帰れる。そう思ったが。
ピロンッ!
なんと2つめの謎が表示された。今度も〇が5つ。
「ど、どういうこと!?」
「……ありす、カードにもヒントがあるのかも」
「で、でも――」
カードにも同じようにマークが並んでるだけで……。
そう思いつつ、カードを引き抜いて改めて眺めてみる。
端末の画面は再び真っ暗になった。
「――あ、一か所だけ順番が違う! それにレストランのカードと絵が反対だ」
「それだ! 逆になってるのは、きっとすでに反転してるってことだね」
わたしはカードを挿入し、再び謎に挑む。
カチッ! ピロンッ!
東門のときと同じような音がして、「おめでとう!」の文字とともに花が舞う。
これで、これで帰れるんだ……!
そう思ったが。
『この世界からの出口は1つ。
出口へ繋がるカギのヒントは、すでに手の中に』
――――え?
「これで終わりじゃないの? 出口2つしかないよ?」
「うーん。出口へ繋がるカギは別にあるみたいだね……」
「ヒントなんてもう、レストランの住所しか残ってないよ!?」
住所の数字を繋ぎ合わせると【3124】、もしくは反転させて【4213】。
わたしとウサトは、近くのベンチで数字について考えた。
でも、何の数字なのか検討もつかない。
手元にあるのは、あとはカード2枚と地図だけ。
2枚のカードは、周囲にマークが入っていること、反転していること以外同じで。
それ以外は変わらない。
いつの間にか海と空は夜色に染まり、美しい星が輝き始めた。
「――――ねえ、噴水は? カードの絵、2枚とも噴水だし」
「行ってみようか」
こうしてわたしとウサトは、再び中央広場まで歩くことになった。
こんなに歩くの久々だよ……足が疲れた……。
重くなった足取りで噴水にたどり着くころには、あたりは静まり返っていた。
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