Ep.02 もがく

赤色の怨恨(書き下ろし)

内腿をつたう赤は無駄で

細く華奢な三日月は

手が届かない宇宙そらになどなかった

沈んでいる

アスファルトの水溜りに

沈んでいる

雪解けの反射に


苦しみがなければ痛みもない

開いた傷口すら、ない

ただ流れ出ている

雪は私を包み 太陽は破壊する

背中を突き刺している

夜を思い込んでいたはずは明日

鏡に向かってでんぐり返し


きみは私を疑って

私はきみを愛していて

垂れたのは私の一部

全部拭き取ったって、きみに恋などするものか。

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