したためて愛

朝ぼらけの鼓動は、寒さをしのぶ。

鮮やかな贈り物は仄かにミルクの香りがして、

僕はまだ、あたたかな血液の流れに包まれていた。

湯船に浸かる。

死んでいた時を思い出そうとして、頭まで、深く潜る。

結局思い出は振り返れないまま年を重ねて

拝金主義を貫いていた。

惨めさを僕のものにして、ままごとの世界。

それでも、確かさを振り返れば

目の前の愛を飲み込むことはできるはずだった。

幸せも不幸せも僕のもの。

メリークリスマス。愛を拒むことも、愛の一つ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る