第24話⭐︎初めて見るもの
目を覚ますと知らない天井があった
ベッドサイドにある時計は
頭はまだ起きたくなさそうで、いつもより寝心地がいいベッドにまだ夢の中だと思った
目をつむり寝返りを打つと、真横に人の温もりがある…
“ん?誰かいるの…?”
そう思い目を開けるとカムイの顔があった
「うわぁ!え!?何で?」
状況が分からずとりあえず衣服を確認する
“着てる!!服は着ているわ!!”
「大丈夫よセイラ!」
そう自分に言い聞かせていると
「何が大丈夫なんだ?セイラ」
横たわるカムイから声がした
「あ、あの…えっと…おはようございます
ここは何処ですか?」
しどろもどろで話すセイラにカムイが鼻で笑う
「おはよう。ここはスピカ城の客間だ
図書館から転移魔法で此処に飛んだ後、セイラは体調がすぐれない様で気を失うように寝てしまったんだ
思い出したか?」
「あぁ、そうです!
何だか図書館で頭がグルグルとしてしまって、断片的には覚えています」
そう言うとギュルルル〜とセイラのお腹が大きく鳴った
あまりにも大きな音で恥ずかしくなり、口をパクパクさせる真っ赤なセイラにカムイは大きく笑った
「起きてすぐに飯だな!ちょっと待ってろ」
カムイはベッドから起き上がり机の上の紙に何か書き出した
そしてその紙の上に手を乗せると小さく火が立った
思わずびっくりして声を上げるセイラに大丈夫と促す
火が消え手をのけると紙が消えており、机やカムイの手は傷ひとつなかった
「セイラ今まで黙っていてすまない…
俺は少し魔法が使える。俺だけではない…ここに転移魔法で来たから少しは分かるだろうが…
スピカ王族も皆、魔術師だ
そしてここでは先ほどの様に執事やメイドを呼んだり、要件を伝える事になっているんだ」
「魔術師…ではカムイさんはスピカ王族の方なのですか?」
「いや、それは違う…何故か使えるのだ
だがこの城にある図書室で読んだ事があるのは、
“神星ポラリスに誓い、加護を受けると誰しも使える様になる”と記載されていた」
「私も少し国立図書館で読んだ事があります
はるか昔のスピカの民は魔法が使えていたと」
そう話し込んでいると扉からノックの音が聞こえた
「お嬢ちゃん、私だよ。少し入ってもいいかい?」
“飛鳥さんだ!”と思いセイラは急いで扉を開けた
「飛鳥さん、どうされましたか?」
そう聞くと彼女はトロリーワゴンに乗った色々な料理と良い香りのするお紅茶、そしてプリンアラモードを見せた
「お腹がすいているんだろう?さっきカムイ殿から知らせが来て持ってきたよぉ」
と優しく笑った
「わぁ!なんて素敵なお料理たち!」
セイラはとても豪勢な料理やデザートを初めて目にし、全てがキラキラと光っている様に見えた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます