第16話⭐︎動き出した時間
ースピカ王国の城内ー
「国王陛下!皇太子殿下!取り急ぎ報告致します」
「なんじゃ…申せ」
「月の心が約束の場所にてDIVA様の訪れを感知いたしました」
ーガタンッ!ー
「なんじゃと!それは
そう言い慌てて椅子から立ち上がり身を乗り出した彼は現在のスピカの国王 “
「300年じゃぞ!何かの間違いではないじゃろうのう」
「はい、この様に月の心が輝くのは初めてでございます。
ご命令を」
そう言い姿勢を整える
「父上、
そう言って立ち上がるスピカ国の皇太子 “
「お前が参るのなら心強いが何かの罠やも知れぬ
心してかかるのじゃ」
陛下はそう告げた
ー§§§ー
こんな事は初めてだ…念願と疑心の思いが右往左往する
“本当に居るならば会ってみたい…”
国王である父から初めてDIVAという存在を聞いた日から20年…そう待ち望んでいた
スピカの闇の謎や、300年待てど暮らせど現れぬ待ち人の調べの為に、父がスピカ全域を周る遠征をした時だって、何の手がかりも掴めなかった君は一体どんな女神なのだろう
「急いで出せ、約束の場所へ」
そう言い後部座席に乗った。焦る気持ちと車の速度が合わず苛立つ
誤魔化そうと運転手の横に座る神官に話しかける
「お前が新任の神官か?」
「はい。
まだ神官に就き1ヶ月の為、
「新任1ヶ月でこの大役とは噂に聞く程の者なのであろう
期待しておる」
そう言うと春日は堅苦しく返事した
横の座席を見ると
“
と書かれた資料が置いてあり、何度も見たであろう内容を暇つぶしに確認した
「殿下、もうすぐで約束の場所に到着します
しかしここからその場所を
春日の声で自分が資料に集中していた事に気がついた
「神官で魔力が見えぬのならもう居ないのか…
しかし、何か
「はい…それと、異様な魔力の波動を感じとれました
ここから東に向かって進んでいます。
と指示を仰ぐ春日に手に持つ資料はこの為か…と納得した
「春日はまだ聞いていないのであろう…そいつはスピカの民ではないが問題はない…
実は、18年前にも今日の様な騒動が起こったことがあってな…」
「申し訳ありません殿下、到着しました」
と運転手が言葉を遮った
車窓の向こうに見えたのは目的地であった
「とりあえずは急ぎだ
春日、まずは何か痕跡がないか探すぞ」
そう言って車を降りると、二人はクリスタルビーチの浜辺へ急いで向かった
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