第5話⭐︎過去を知る者?




ーセイラが生きる現代のスピカー



私はもしかしたら気づいていたのかもしれない…

いや、助けをう為だったのかもしれない…



子供の時から自分が一歩外を出れば、この星の民たちと違う容姿に集まる目線やしいたげる声、左右の瞳の色の違いにおののく者や近づいて触れようとする人々、すぐに打ち解け懐く動物たち…

私はその生き辛さから人目につかない様に格好の悪い眼鏡をし、髪の毛で顔を隠す様にしていた

ずっと何かに監視されてるようでとっても息がしにくい

この世界から早く逃げ出したい

自分が何なのか…何故こうも皆と違うのか…そう疑問に思った時にある事を調べ始めた

それが発端だった気がする…



毎日の様に国立図書館でDIVAの歴史の本を何度も読み漁る

万物の声を聞き人々を守り星を安寧に導いたという本もあれば、魔物の長でありただの魔女だとさげすむ本もあった

”真実はどうなんだろう“

このスピカでDIVAを確認できたのは300年以上も前

知っている者は少ないだろう…いや、居ないかもしれない

スピカ自体も国土の半分ほどは闇に包まれている

彼方あちらから魔物が入り込まない様に結界が張られているが、それを超えて闇に踏み込んだ人間は戻ってきたことがない


そんな事を考えているといつから居たのか小柄な老婆が声をかけてきた


「お嬢ちゃんはよくここにきてるねぇ。そしてその分厚い本を良く読んでる。そんなに面白いのかい?」


「お婆さんもよくここに?」

そう尋ねるとニコッと微笑み頷き話し出した


「ここは私の思い出の詰まった場所でねぇ…もう40年も通っているよぉ

ずっとあそこの席に座って人を待ってたんだ

お嬢ちゃんの様にその本を懸命に読むあの人を…」


「この本を…?」

“5人のDIVA”と書かれた異国文字の歴史古書を指差し、少しの沈黙のあと彼女は話す


「私の婚約者だった人が王宮で神官をしていたんだよぉ

毎日熱心にDIVAについて調べ王国中を探し、靴の裏が擦り減って無くなるぐらい毎日それに明け暮れていたよ」


「それでもDIVAは見つからなかったんですか?」

質問に静かに首を振る彼女は目を伏せて

“あぁ”とだけ言った


セイラは今18歳…自分がもしDIVAなら自分の前にDIVAだった人物が必ず居たはずだと思った


「本当にDIVA様なんてこの世に居るのかねと思ってねぇ、40年以上前に鎖国前のミラに行って拝んできた事もあるよ」


「どんな人でしたか?」

そうセイラが食い気味で聞くと、彼女は身振り手振りでミラのDIVAセレーネ様の様子を熱く語り出した

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