第4話⭐︎堕ちていく安寧




時代が進めば世界は変わる

手紙は電話にかわり、馬車は機械で動く車にかわる

人々は液晶画面に映るニュースを見て情報を集め、手に持てる小さな画面越しに友と話す

色んな人の考えや能力、技術によって世界は進歩し手間がかからない世の中になっていく

人もそうだ

数百年前は強かれ弱かれほとんどの人々が使えた魔法も、今では王族や神官以外に使える人を見つける方が難しい

閉鎖的な国である夏星のベガとアルタイルであればまだまだ沢山の魔法使いがいるだろうが…


楽を知り面倒を感じ高技術を目にし溺れていくと、誰もがぬるま湯のような生き方になるのかも知れない




ー§§§ー



ー冬星シリウスー



「ミラのDIVA様見つかったらしいね」


「そうなの?前のセレーネ様が亡くなって大体20年ぐらい経つかしら?」


「ああ、ミラは強固な結界のせいで短命なDIVA様が多いが、国の制度のお陰でDIVA探しが比較的楽なんだろうな」


「でも宝であるDIVA様を消耗品の様に聞こえてしまって…」


「だが仕方ないよな…ミラまでもが潰れかけたらもう止まらねぇよ」


「ここももう限界だぞ…早く見つかんねぇとスピカみたいになっちまう…」

暗く変わっていく世界の状況に民達の不安は募る一方であった…


その大きな原因の1つ、世界の中心である春星スピカの王族が魔界の王ルシファーと契約し、ブラックホールを展開させたと他の星では長きに渡り噂になっていた

事実現在のスピカは数百年の長きに渡りDIVAが現れず、星の半分が魔物が彷徨うろつく闇に包まれ、魔法の使える王国軍や神官を持ってしてもそれを抑えきれないとも…

そんな時、街外れの森へ狩猟に行った村人が嘘か誠か

“空にブラックホールを見た”と言った事がきっかけでその噂は余計に広がった


そしてそれを耳にし恐れた他の星の王国はスピカとの関係を断ち、スピカの者以外その星の詳しい現状が分からず20年ほど経とうとしていた

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