第12話 余命2日④
「お腹も膨らんだことだしこの遊園地の乗り物全部乗りに行くぞ~!」
彼女はとても張り切っているようだ。出来ればジェットコースターなどの絶叫系はやめて欲しい……がそんな思いも虚しく俺は数々の絶叫系アトラクションに乗らされるのだった。
あぁ……どうしてこんなに絶叫系が多いところに来たんだろう……俺は自分のリサーチ力と子供の時に来たのに覚えてなかった記憶力を恨んだ。
「あぁ〜色々乗ったね~」
「本当にな……」
「後なにか乗ってないのある?」
「観覧車に乗ってないんじゃないか?」
「言われてみればそうだね。観覧車が最後かな。じゃあ乗りに行くぞ~!」
「お前って凄い元気だよな。」
俺はそんなことをポツリと呟いた。
「お〜!近くで見るともっと大きく見えるよ。早速乗ろっか!」
俺達は緑色のゴンドラに乗った。
「お〜凄い!どんどん上がっていく!」
彼女はゴンドラの窓からキラキラとした目で外を見ている。
今思ったんだが異性?と観覧車に乗るってかなり良いシチュエーション何じゃないか?ヤバい……そんなことを考えたら彼女の事を少し意識してしまった。
俺は必死に意識しないように頑張るが意識しないようにするとよけい意識してしまった。まずい……バレたらからかわれるかもしれない……なんとしてでもバレることは阻止しなければ!
「どうしたの?顔赤いけど」
「ベッ別に赤くないと思うが……気の所為じゃないか?」
「いや、そんなことない!もしかして熱?!」
「熱なんて無いが……」
「じゃあどうして顔赤いの?」
まずい……なんとかして話を逸らさなくては……
「なぁ……そんなことより今日俺が食べたドライヤー美味しかったからお前にもオススメするよ。」
ヤバいヤバい!焦りすぎておかしな事言ってしまった!頼む!これで話よ逸れろ!
「今絶対話逸らそうとしたでしょ!まさか本当に熱でもあるの?」
さらにまずい状況に陥ってしまった。俺はさらに焦ってもっとヤバいことを口走ってしまった。
「なっなぁ!お前って好きな人居るのか?」
「へっ?なっ何でそんなこと聞くの?!」
どうやらこれで話を逸らせたようだ。その代わり何かを失ったような気がするが……
「いや……別に答えなくても良い。」
これで彼女が答えずに顔が赤い話も流れてハッピーエンドだ。
そう思っていたが彼女は意外にも話し始めた。何か罪悪感が凄い……
「私の好き“だった”人は皐月……滝野皐月……」
一瞬皐月と言われてドキッとしたがどうやら別人のようだ。だが少し気になる事があったので俺はきいてみることにした。
「だった?」
「そう……彼の魂は私が奪った……」
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