第11話 余命2日③
「大丈夫?顔色悪いけど……」
「誰のせいだと思ってるんだ!」
俺は彼女に無理矢理ジェットコースターに乗せられ満身創痍になっていた。
「えへへ。ごめんね。次何乗る?」
「ちょ……ちょっと待ってくれ……もう次行くのか?後5時間は休憩しないとしないと大惨事になるぞ……」
「長すぎない?!……後5分だけ待ってあげる。」
ここで待ってくれる辺り優しいやつだ。
5分後、俺は少し回復した。本当に少しだけだ。
「もう大丈夫そう?」
「あぁ大丈夫だ……もう10メートル歩けるぐらいに回復したよ。」
「10メートル?!5分で?!このままじゃ日が暮れちゃう!何か乗れそうなもの無いの?」
正直メリーゴーランドやコーヒーカップなどの回転するアトラクションに乗ったら確実にマーライオンをしてしまう……だったら
「お化け屋敷なら行けそうだ。歩くだけだからな。」
俺がそう言うと彼女は少し動揺しながら言った。
「おっお化け屋敷!?いや……もうちょっと休憩してもいいかな~あはは……」
「さてはお前……お化けが怖いのか?」
「そんなわけないよ!ただ前に無理矢理ホラー映画を見せられて嫌いになっただけだから!」
「じゃあお化け屋敷行けるよな。」
「いいよ!行ってあげる!私がお化け何か怖がってないってところを見せてあげる!」
彼女は少し自暴自棄になっていた。
「じゃあ行くか!今、人も少ないし!」
そうして俺達はお化け屋敷に入ったわけなのだが……
「キャー!何あれ!浮いてる!浮いてるよ!うわぁ!出た〜!」
予想以上に彼女が怖がりだっため別に怖いのが得意な訳では無い俺も全く怖くなかった。
お化け屋敷を出たあと、彼女は少し放心状態だった。
「お〜い生きてるか〜?」
「……ぜっ全然怖くなかったから生きてるよ。」
彼女は少し震えながら言った。
「あれだけ叫んでおいてそれを言うのは流石に無理があるぞ。」
「ちょっと待って!思い出せないで!今すぐさっきの事を忘れて!」
「そんなこと急に言われても無理だな。」
「ジェットコースターに乗せるよ?」
「あ〜さっき何かあったっけな〜何もなかったよな~あっ!もうお昼だ!ご飯食べに行こ〜」
ジェットコースターに乗るという地獄をもう2度と味わいたくない為俺は会話を流した。
「そういえばもうお昼だね。どこで食べるの?」
「そうだな〜確かこの遊園地にはレストランがあった気がするからそこで食べよう!」
「いいね!早速行こう!」
俺達はレストランまで足を運んだ。
「おしゃれなレストランだね。」
「そうだな。何食べようかな~」
俺達はメニューを見た。
「ねぇ!私これ食べたい!」
「どれどれ?桜香るアメリカンハンバーグ?美味しそうだな。俺もそれにしようかな。」
「決まったね!スタッフさんを呼ぼうか。」
彼女はスタッフを呼ぶボタンを押した。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「え〜と桜香るアメリカンハンバーグを2つ。」
「お2つですか?」
スタッフは少し驚いていた。
まぁ彼女の姿が見えないから俺が2つ食べると勘違いしたのだろう。
「はい2つで。」
「では少々お待ち下さい。」
その後、俺達は注文した物をすべて平らげ、レストランを出た。
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