第2話 1日目 昼

俺は朝食を食べた後、気まずい雰囲気に耐えきれず自分の部屋に来て暇をつぶしている。

パソコンで小説を書いているのだ。

これは最近始めた趣味だ。

今日は俺の殺し屋の経験と知恵を使い、リアリティ溢れるホラー小説を書くことにした。

これは良い暇つぶしになる、次に俺が時計を見た時には既に短針が12を指していた。

そろそろ昼食か……

俺は小説を仕上げて少し気が乗らないがリビングに下りた。

キッチンには水面がいた。

また気まずい雰囲気の中食べるのか……と一瞬思ったがどうやら杞憂だったようだ。水面は朝のことなどなかったことのように話しかけてきた。

「あっ!皐月、今日の昼食はオムライスだよ〜」

「あぁそうか。丁度食べたかったんだよ。」

そこで会話が途切れる。

だが気まずくはない。

俺達にはこれぐらいの会話が丁度いいのだ。

オムライスがテーブルの上に運ばれる。

俺達はオムライスを食べ始める。

静寂の中に食器がぶつかり合う音が響く。

今日は俺から

「水面はどうして殺し屋になったんだ?」

と問いかけた。

これは俺が会話に困った時によく使うものだ。

これを言えばだいたい会話は盛り上がる。

「ねぇ。それ前にも言ったきがするんだけど……」

「気の所為だ。」

「そう?じゃあ話すね。

私は、小さい頃、両親に虐待を受けていたの……でも、ある日の夜、私は物音で目を覚ましたの。私は好奇心でその音がする部屋の前まで行ったの……そしてドアを少し開けて中を覗いてみるとそこには血を流し倒れている両親と銃を持った男がいた……私はびっくりして物音を立ててしまい男に見つかってしまったの!でもその男は『まだ若いな……いずれ選択を与えよう』と意味不明なことを言って窓から出ていったの。私から見れば彼はヒーローだった。両親を殺してくれたのだから……そして私は殺し屋に憧れて今に至るの。」

「おいおいおいおい。何か話が前と変わってるんじゃないか?前はそんな話してなかったじゃないか。」

「あっ!やっぱり前にも話してた!」

「かまをかけたな!」

「事実も多少は入ってるけどね。」

「じゃあ男がいずれ選択を与えようといったのは事実か?」

俺はその言葉を何処かで聞いたことがある気がする。

「シルクハット……それだけ教えてあげる。」

シルクハット?男がつけていたのか?

「シルクハットマンか面白いな。少しその男に興味が湧いた。調べてみることにするよ。」

俺は興味を持ったら調べ尽くさないと気になって何もできなくなる。

だから東雲水面殺害期限までには調べておかないとな。







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殺し屋の選択 杜鵑花 @tokenka

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