第7章304話:レジスタンス
「ルチル・フォン・ミアストーンンンッ!!」
と、絶叫のごとき声をあげて複数の人影が現れた。
全員、フードをかぶり、武器を持っている。
そのうちの一人が叫ぶように告げる。
「我々は、貴様の統治を――――クランネルの統治を認めない! ジルフィンドの国土を返してもらう!!」
フードの下から、刺すような視線を向けてくる。
(こいつら……レジスタンスか)
と私は推定した。
ジルフィンド公国による統治はひどかった。
だから元ジルフィンド国民は、クランネル王国による新たな統治を、おおむね好意的に受け入れている。
しかし当然、クランネルによる
そういう連中は、集まって
まさに眼前の者たちのように。
レジスタンスたちが一斉に斬りかかってくる。
「ジルフィンドを踏み荒らす侵略者が!!」
「死ねえええええ!!」
侵略者って……
確かにクランネルはジルフィンドを平定したが、もともと侵略してきたのはジルフィンド側である。
まあ、こいつらの視点からすると、自分たちのほうが被害者だと思っているのだろう。
とにかく襲撃してきたのだから、ねじ伏せるしかない。
「制圧なさい」
と私は短く命令した。
エドゥアルト、フランカ、リファリネスが、うなずいて動き出す。
相手のほうが多い。
街路を歩いていたギャラリーたちは、巻き込まれまいと、退散を始めていた。
「ハァッ!!」
バトルアックスを取り出したフランカが素早く目の前の敵に近づき、斬り殺す。
豪快にバトルアックスを振り回し、敵をあっという間に3人ほふる。
「シッ!」
一方、流麗に斬りかかったエドゥアルト。
流れるような剣技でレジスタンスを
(エドゥアルト……また腕を上げましたわね)
と私は感心した。
そして。
「……」
リファリネスの
彼女はもちろん圧倒的だ。
もはや戦闘というよりは、ただの一方的な暴力である。
リファリネスの速い動きには誰も反応できず、気づいたら地面に寝転がっているか、即死しているような
と、そのとき。
「死ね! ルチル!」
私に接近してくるフードの男がいた。
しかし。
まるで瞬間移動のごとく移動してきたリファリネスが、その男を蹴り飛ばす。
「ぐはっ!!」
吹っ飛んだ男が
リファリネス……強すぎ!
「さて……」
エドゥアルト、フランカ、リファリネスの圧倒的な強さによって、レジスタンスはあっけなく制圧された。
血みどろに倒れるレジスタンスたち。
私はリーダーとおぼしき男に近づく。
彼にはかろうじて意識があった。
「いろいろ話を聞かせてもらいましょうか」
私たちに敵わないと理解した男は、重要な情報を洗いざらいぶちまけた。
レジスタンスの背後にいたのは、ヒースレインを治める市長であった。
彼は
ゆえに私は、市長を
なお市長だけでなく、ヒースレインについては、ジルフィンド公国の再興を願う、反クランネル勢力が多く潜んでいる。
このあぶりだしと殲滅については、領主として大きな課題となるが……
私が全てを片付ける必要はない。
この件に関しては、
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