第7章293話:聖属性

私は【聖アイシクルソード】を右手に持ち、構える。


「終わりましたわよ!」


錬金術が終わったことを、私は宣言する。


そしてヴァンパイアへと迫った。


「誘い込んでくださいませ!」


と私は、エドゥアルトとフランカに命令する。


エドゥアルトとフランカは、この【聖アイシクルソード】がどのような武器であるかを知らない。


しかし、わざわざ教えなくても、この武器がヴァンパイアに通用するものだと理解しただろう。


エドゥアルトとフランカが、私の命令の意図を察して動き始める。


「ハァッ!!」


フランカがバトルアックスを放った。


ヴァンパイアがよこステップをして避ける。


その避けた場所にエドゥアルトが斬撃を放つ。


これもヴァンパイアは素早く避ける。


しかし、エドゥアルトの攻撃はあくまで誘導だ。


私のいる方向へと誘い込むためのものである。


「――――――」


私は精神を集中させる。


聖アイシクルソードをよこぎに振りぬいた。


「ガッ!?」


ヴァンパイアを肩から斜めに切り裂く。


血が噴き出るヴァンパイア。


「ガアアアァッ!!!??」


ヴァンパイアが激しい絶叫を上げる。


バフポーションによって高められた身体能力……そして聖属性によって、通常の斬撃より大きなダメージが入っただろう。


私がもう一度斬りかかろうとする。


が。


「……!」


痛みにもだえながらも、素早くヴァンパイアがバックステップで退避した。


私の斬撃が空振ってしまう。


しかし、素早くヴァンパイアの背後に回りこんだフランカが、バトルアックスを振りかぶった。


「ハァッ!!」


バトルアックスを金属バットのようにフルスイングする。


やいばいだのではなく、面の部分で殴りつける形の攻撃だ。


「グガッ!?」


バトルアックスの面で殴りつけられたヴァンパイアが、ふたたび私のもとに吹っ飛んでくる。


(ファインプレーだね、フランカ)


と内心でフランカを賞賛しつつ、私はヴァンパイアにもう一度斬撃を浴びせるべく剣を構える。


そして剣を振った。


ほとばしる聖なる光の剣閃けんせん


さすがにこのタイミングでの斬撃を、ヴァンパイアがかわすことができず、まともに直撃した。


「――――――――!!」


二度目の斬撃がヴァンパイアの胴体に深手ふかでを負わせる。


血を噴き出したヴァンパイアが、ゆっくりと仰向あおむけに倒れる。


「ふう……」


戦闘終了だ。






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