第7章288話:第5層
かくして、私たちは鉱山に入る。
案内は市長に任せることにした。
とりあえず第1層。
ここは狭く、作業用の道具が多数、置かれている。
第1層の一番奥から、2層へと降りた。
途中、
それを
やがて。
第4層の
ボス部屋とおぼしき広い空間。
その一番奥の壁に、下へと続く階段があった。
階段の入り口には、縄が張られ、立ち入り禁止の看板が置かれている。
市長が説明した。
「あの階段から第5層へとゆくことができます。危険なので、現在ご覧のとおり、立ち入り禁止としています」
「なるほど、ここから5層に……」
私は納得した。
視察はいったん中断することになるが……
まあ、なるべく早く終わらせられる錬金アイテムがある。
それを作って使えば、
「では、さっそく攻略を始めることにいたしますわ」
と私は言った。
「……本当にお行きになるのですか」
市長が心配そうな顔を向けてくる。
私はうなずきつつ、答えた。
「ええ。市長、案内ご苦労さま。ここからはエドゥアルトたちと参りますので、戻っていただいて結構ですわ」
「……わかりました」
市長は一礼をしてから、立ち去っていく。
残った私たちは、そのまま第5層への階段を降り始めた。
階段を下りると、そこには巨大な扉が現れた。
誰が彫ったものかわからない、精密で美しい彫刻が描かれた扉。
この先から第5層のフロアが始まる。
私は第5層の扉に両手をついて、ゆっくりと押した。
見た目の大きさに反して、重量感はなく、そこまで力を込めなくても開いていく扉。
そこに広がっていたのは、赤い鉱石があちこちに点在する洞窟。
その鉱石の光に、周囲の壁も赤く照らされている。
「ここが第5層……」
とフランカがぽつりつぶやく。
「あの鉱石は……
周囲に存在する赤い鉱石の正体について、私はそう推定する。
念のため、鑑定魔法でも確かめてみたが……うん。やっぱり
(
見えている範囲だけで
壁を掘ってみたりしたら、どんなレア鉱石が採掘できることだろうか。
やはり第5層は宝の山である。
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