第7章263話:領地

そしてプラン3――――領地の分配について。


ジルフィンドの統治が完了し始めたので。


ジルフィンドの領土を、分配することになった。




ジルフィンドには17の領地が存在する。


これをクランネルの貴族や将軍、戦争で活躍した者たちへと配分される。


この機会に、新たに爵位しゃくい叙勲じょくんした者もいる。


たとえばフランカがそうだった。


フランカは子爵令嬢であるが、爵位を持たない。


しかし、今回の戦争において活躍したことが認められ、男爵位だんしゃくいを授かることになった。


今後はフランカ・ビシュケースという名前をあらため……


フランカ・ド・ビシュケースという名前になる。


ちなみにフランカが与えられた領地は、田舎の農村のうそんである。


フランカはその農村のおさ


まあ地主じぬしみたいなものである。





……で。


私はといえば。


なんと4つも領地もいただくことになった。


――――王城。


謁見の間。


昼。


ミジェラ女王から、私は以下のように告げられた。


「フォースター公爵領こうしゃくりょう、クラヴァル辺境伯領へんきょうはくりょう、ジルフィンド大公領たいこうりょう、イファールカ伯爵領はくしゃくりょう……以上の四領よんりょうを、ルチル、お前にさずける」


四領よんりょうも……ですか」


「ああ。ナナバールやガレッツを手づから討ち取り、挙げた首級しゅきゅう数多かずおおい。お前の働きは誰もが認めるところだ。当然の報酬だろう」


とミジェラ女王は告げた。


さらに女王は続ける。


「今後は、その四領を統合して【ルチルりょう】と名乗るがよい。国の記帳きちょうにも、そのように登録しておく」


つまり。


私は領主になったというわけだ。


ルチル領……


それが私がおさめる領地の名。


ミジェラ女王は告げた。


「また、それをもってお前に伯爵位はくしゃくいを授ける。今後は、ルチル・フォン・ミアストーンの名を名乗るとよい」


「はっ……承知いたしましたわ」


と私は答えた。


後日ごじつ叙勲式じょくんしきがおこなわれる予定だ。


叙勲式を終えたら、その日から、私は領主として着任ちゃくにんすることになる。


(でも……領主かぁ)


私は憂鬱ゆううつな気分になった。


領主は忙しい身分だ。


書類しょるい仕事しごと忙殺ぼうさつされ、自分の時間が取れないことが多い。


私の異世界スローライフの足かせになりかねない役職。


(領主の仕事を、全部丸投まるなげできる代官でも探そうかな)


と私は思った。


後日、アリアに相談してみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る