第7章261話:政策の開始

翌日以降。


ジルフィンドの統治は、ミジェラ女王のプラン通りに進んだ。





まずはプラン1―――貧民救済策ひんみんきゅうさいさく


現在、ジルフィンド国民は、オーギュスト政権による搾取によって、貧困にあえいでいる。


この貧困を救済しなければ、餓死者がししゃが増え、暴動が多発すると予想された。


ゆえにミジェラ女王は食料を配給する計画を実施した。


ここで問題となったのは資金だ。


なぜなら食料は、タダではない。


商人や農家から大量にけなければならず、そのために莫大な資金がいる。


この資金繰しきんぐりに関しては、ジルフィンド大公家たいこうけに存在する財宝を売却したり……


オーギュストが、己の威光いこうを示すために作らせていた金銀きんぎん大公像たいこうぞう将軍像しょうぐんぞうなどを解体、溶かして売りさばくなどをおこなった。


おかげで、しばらくは貧民を食わせていける資金を作ることができている。






次にプラン2――――統治の確立。


最初に、統治を円滑におこなうために【公国管理局こうこくかんりきょく】を設置する。


公国管理局の命令は絶対であり、ジルフィンド側に拒否する権利は存在しない。


そして、公国管理局のめいにより、政権の中枢ちゅうすうであるオーギュストを、政治の世界から追放した。


また、ジルフィンド公国は軍国主義ぐんこくしゅぎであり、軍部ぐんぶが多大な権力を持っている国であったので、軍も徹底的に解体することにした。


具体的な方策としては……


①ジルフィンド軍に解散命令かいさんめいれいを出し、兵士たちには故郷へと帰らせる。


②ジルフィンド軍の上層部じょうそうぶにふんぞり返っていた将校たちは、捕縛したのち、牢獄へとぶちこんだ。


③ジルフィンド公国の国家予算こっかよさんを圧迫していた軍事費を、ばっさりカット。軍のために製作されていた武具やアイテムも、全て没収し、新たな生産も停止させた。


国中くにじゅうに置かれた山城やまじろとりでなどの軍事施設ぐんじしせつは、必要なもの以外は全て破棄することに決定した。


⑤軍人が必要な場所には、一時的に、クランネル軍を駐屯ちゅうとんさせた。


これらの取り組みにより、ジルフィンドの軍事政権は完全に崩壊し、オーギュストの軍国主義は終焉しゅうえんを迎えることとなった。




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