第7章260話:パーティー後

しばらくフランカ父と雑談をする。


やがてフランカ父は言った。


「では、他の方にもご挨拶をしなければなりませんので……これで失礼いたします」


フランカ父が立ち去っていく。


そのあと。


いろいろな人とあいさつや談合だんごうをした。


食事が終わったらダンスホールに移動し、社交ダンスもおこなう。


最後に。


パーティーの主賓である私と父ルーガに、ミジェラ女王から贈呈品ぞうていひん表彰楯ひょうしょうたてが贈られることになった。


全員の前で、多大な拍手喝采はくしゅかっさいを受けながら、受け取る。


かくして戦勝パーティーはつつがなく終了することとなった。






一週間後。


私は王城おうじょうへと呼び出されていた。


王城の会議室に入る。


ミジェラ女王のほか、国の重鎮じゅうちんたちが列席れっせきしている。


議題は、今後のジルフィンド公国の処遇について……だ。


「ミアストーン親子の活躍により、ジルフィンド公国は、クランネル王国の支配下に入ることになる」


とミジェラ女王が前置きしてから告げた。


「ジルフィンド公国を、今後どう扱っていくかについて、私が考えた方針を伝える。資料を用意したため、まずは一読いちどくしてもらいたい」


とミジェラ女王が秘書に指示して、資料を配布させた。


私も資料を受け取る。


ざっと目を通した。


主に、ジルフィンド公国の統治の流れについて、スケジュールが書かれている。


具体的には以下だ。





【プラン1:貧民救済策ひんみんきゅうさいさくこうじる】

ジルフィンド公国では、莫大ばくだい軍事費ぐんじひ捻出ねんしゅつするために、国民に対して多大な搾取をおこなっている。

貧困化しているジルフィンド国民が多いため、まずは彼らに対して食料や物資を配給する。



【プラン2:統治の確立】

ジルフィンド公国は、最大さいだい派閥はばつであるオーギュストが強大な軍事政権ぐんじせいけんによって政界を支配している。

よって、まずはこの軍事政権を解体し、オーギュスト派にとって都合のよい法律も凍結とうけつする。

そしてクランネルによる統治を円滑におこなうために【公国管理局こうこくかんりきょく】を、ジルフィンド国内に設置する。

公国管理局とは、クランネルによってジルフィンドを管理するための組織である。




【プラン3:領地を分配する】

戦争で活躍したクランネル軍の将官しょうかんたちにジルフィンド領地を与えていく。

なお、領地の分配が完全に完了したら【公国管理局】は少しずつ解体していく。




……以上だ。


プラン1、プラン2、プラン3……という順番で、ジルフィンドの統治を進めていく流れのようだ。


ミジェラ女王はまとめた。


「まずは貧民を救済し、次にクランネルによる統治を確立。そして最後に、戦争の功労者こうろうしゃに領地を分配していく……こういう流れで、統治を進めていこうと思う」


するとミジェラ女王の秘書が言った。


「異論がなければ、拍手をお願いします」


その場にいた全員が拍手をした。


ミジェラ女王の統治プランはわかりやすいし、合理的だ。


私も異論はない。


ミジェラ女王が言った。


「ありがとう。……では、さっそく今日から統治政策とうちせいさくを開始しよう」


かくして会議は終了する。


私たちは、各々おのおのの仕事へと取り組み始めるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る