第7章255話:休息

翌朝。


食堂にて、戦勝パーティーは2日後であることを告げられた。


ゆえに私は……


ひまになった今日と明日を、全力で休息することにした。


(戦争で、気を張った日々を送っていたからね)


2日間、思いきり休もう。


というわけで。


私は存分にリラックスすることにした。


誰かがやってきても嫌だったので、面会謝絶であることを、メイドたちに伝えておく。


離宮の自室。


ベッドに寝転んで、ごろごろする。


ごろごろ。


ごろごろ。


ごろごろ。


何もせず、ただただ、やわらかいベッドに寝転んで、惰眠をむさぼる。


やがて昼になったら……


私はベッドに寝転んで、瞑想―――マインドフルネスをした。


頭をからっぽにする。


何も考えない。


あれこれと思考をはじめる脳を、静める。


無思考むしこうの状態を作り、目を閉じて、まぶたの裏の虚無きょむを見つめる。


そして深呼吸。


すー。


はー。


すー。


はー。


んだ酸素が取り込まれる。


だんだんと脳がわたるような爽快感そうかいかんに包まれてきた。


疲れた脳が休まる。


身体から余計な力が抜けて、心拍数しんぱくすうが下がる。


時間がゆったりと流れるような感覚。


やがて、私は浅い眠りに落ちる。


数ヶ月にわたるいくさ蓄積ちくせきした、身体の疲れも、脳の疲れも、すぅっと消えていく。


どのぐらいそうしていたか。


「……」


私は、目を覚ます。


夕方になっていた。


室内の大部分だいぶぶんが、逆光ぎゃっこうかげになっており、暗い。


ただバルコニーの窓から、夕陽ゆうひの射し込んでくる光が、美しく、大気のちりを照らしていた。







翌日も同様に、ダラダラと過ごす。


私の心身は十分に静養し、英気を養うことができた。


そして。


戦勝パーティー当日になった。


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