第6章243話:vsナナバール2

「おいナナバールたい! 俺を援護しろ!!」


とナナバールは後ろにいる兵士たちに大声おおごえで指示を出した。


ナナバール隊のほとんどは銃撃と爆撃を浴びて大混乱だいこんらんしていたが……


「わ、私が援護します!」


と声をあげた者がいた。


ナナバールの副官らしき男だ。


私は目を細めつつ、アイテムバッグから魔法銃を取り出した。


それをナナバールの副官へと発砲する。


ズドォンッ!!


「あがっ!?」


魔法銃の弾丸は、副官の右腕みぎうでに直撃した。


副官が負傷して悶絶もんぜつする。


邪魔立じゃまだては許しませんわ」


「貴様ァァアアアアアッ!!」


とナナバールが激怒げきどした。


私はにやりと笑いながら言った。


「4対1で頑張ってくださいませ、ナナバール将軍」


「ぐぅううう、上等だ! 貴様らごときゴミが何人なんにん集まろうと、俺を討てると思うなよ!!」


とナナバールが剣を振るう。


スキルを発動したか、周囲に風圧が炸裂する。


その風圧で、エドゥアルトたち4人は後退こうたいさせられる。


「オォォォォォオッ!!」


4人を一時的に退しりぞけたナナバールが、私に向かって突っ込んできた。


しかし私は、身構えない。


ただ突っ立ったままである。


なぜなら。


「ハァッ!!」


フランカが追いついて、ナナバールの前にバトルアックスを突き出したからだ。


「くそがッ!」


ナナバールが一時、足を止める。


そこにエドゥアルトが斬りかかる。


「うぐっ!?」


エドゥアルトの剣がナナバールの肩を切り裂いた。


一瞬ひるんだナナバール。


そこにシャルティアさんとホーヴァンさんが斬りかかる。


「あがっ! ガアアァッ!!?」


背中と横腹よこばらに斬撃を浴びたナナバール。


ナナバールは叫ぶ。


無礼者ぶれいものがァッ!! したのくせに、有象無象うぞうむぞうのくせに!! 俺のゆく道を邪魔するのかァアッ!!」


再度、スキルの風圧で吹き飛ばそうとするナナバール。


しかし。


「ハァッ!!」


フランカのバトルアックスが、剣を持っていたナナバールの手首を切り飛ばした。


「がッ……ああああああああッ!!」


ナナバールが絶叫する。


膝をつき、切られた手首をおさえる。

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