第6章221話:対応

<ルチル視点>


私は奇襲作戦きしゅうさくせんを繰り返す。


ジルフィンド兵は、銃撃と爆撃のコンボにまったく対応できず、一方的に虐殺されていった。


そしてある程度、戦況が進んだころ。


ジルフィンド軍に新たな動きが見られた。


私は、その動きを分析する。


(ジルフィンドが突撃を開始した……?)


ジルフィンド軍の全軍突撃。


おそらくナナバールが指示を出したのだろう。


魔法銃と爆弾によるゲリラ攻撃を避けるためだ。


対応が早い。


しかし。


(想定通りの動きだね)


ジルフィンドが全軍突撃を開始するだろうことは、読んでいた。


だから、私も次なる作戦を開始することにした。


「いったん本陣へ戻りますわ」


「え……本陣、ですか?」


とフランカ。


私は答える。


「ええ。これから作戦は第二段階へ移行します。さっそく移動を開始しましょう」


私はルチル隊に命じ、移動を始めた。


本陣へ向かう。


数十分後。


本陣へ辿り着いた私は、ベアール将軍に報告した。


「ジルフィンド軍が全軍突撃を開始したようですわ」


「ほう。では――――」


「ええ。作戦を第二段階へ移行します。指揮をお願いできますか?」


と私は尋ねる。


ベアール将軍がうなずいた。


「お任せください。すぐさま全軍へ指示を出しておきます」


「お願いいたします。それでは、私は持ち場に戻りますわね」


「はっ」


きびすを返した私は、ルチル隊を引き連れて歩き出した。

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