第6章218話:戦果

<ルチル視点>


魔法銃と爆弾による強襲。


その戦果を十分に感じた私は、ぽつりつぶやいた。


「こんなものですわね」


そして部下に指示を出す。


「撃ち方、やめてください!」


するとルチル隊のみんなが銃撃をやめる。


爆弾を投げようとしていた兵士たちも、手を止めた。


視界の先にいるジルフィンド兵たちは、とっくに戦意を失って、逃走を始めている。


爆弾の余波である砂塵や煙があがっていた。


(爆弾を持ってきたのは正解でしたわね……)


魔法銃は強力だが……


対策が取られていると思っていた。


事実、ジルフィンド兵たちは、銃撃がはじまるやいなや、すぐさま地面に伏せた。


伏せた相手に銃弾は通じにくい。


だからこその爆弾だ。


爆弾なら、敵が伏せていようと関係なく吹き飛ばせる。


そして敵は「伏せていても攻撃される」と認識し、やがて我慢できなくなり、立ち上がる。


あとは立ち上がったところを、魔法銃で狙撃するだけだ。


「作戦は成功ですわ。撤収して、次の通路に向かいます」


私はきびすを返し、洞穴ほらあなへとふたたび入った。


ルチル隊の兵士たちも、私のあとに続いた。








そうして私は、同様の攻撃をジルフィンド兵に繰り返した。


みち洞穴ほらあなを通って奇襲をしかけ、ある程度壊滅させたら、撤収する。


このゲリラ作戦によって、ジルフィンド軍に大きな被害を与えた。


なお、同じ作戦を取っていたのは私だけではない。


シャルティアさんやホーヴァンさんも、同じ戦法で奇襲を繰り返した。


私と、


シャルティアさんと、


ホーヴァンさん、


3つの部隊でゲリラ的に奇襲を繰り返す作戦は、すさまじい効果を発揮した。


天才ナナバールが企図きとした完璧なる布陣。完璧なる配置。


それを完全にひっくり返す、圧倒的な戦果であった。

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