第6章197話:戦斧と剣閃

私は、エドゥアルト、フランカと。


魔法銃撃隊まほうじゅうげきたい30名ほどを引き連れて、ジルフィンド第三軍だいさんぐんへと突っ込んでいた。


なお私・エドゥアルト・フランカの3人はバフポーションを飲んでいる。


したがって戦闘能力せんとうのうりょく桁違けたちがいにがっていた。


「フランカ」


「はい!」


敵陣てきじんのど真ん中で、私はフランカを呼びつけた。


「これを使いなさい」


「……!」


私はアイテムバッグから取り出したのは、巨大な戦斧バトルアックスである。


実はフランカには、バトルアックスによる戦闘を練習させていた。


彼女の適性職てきせいしょくには合っている武器だと思ったからだ。


「わかりました! やってみます」


とフランカは元々持っていたショートソードを片付け……


バトルアックスを受け取った。


私は言った。


「あそこの槍兵やりへいたちが邪魔ですわ。バトルアックスのお披露目ひろめもかねて、蹴散らしていただけますか?」


「了解しました!」


とフランカは返事をしてから、駆け出す。


バトルアックスを両手で握りながら、前方にいた槍兵やりへいたちの戦列せんれつに斬りかかる。


「ひっ―――――」


兵士たちの恐怖にゆがむ顔が浮かんだ。


フランカのバトルアックスがぐ。


それだけで、兵士が真っ二つに吹っ飛んだ。


豪快すぎる斬撃だ。


しかしパワー任せではなく、ちゃんとキレがある。


やはりフランカにはバトルアックスが合っている。


「ハアッ!!」


フランカが槍ぶすまを作っていた兵隊たちの一団に、突っ込んだ。


バトルアックスを振り回しながら突進したフランカに、槍ぶすまの兵士たちはひとたまりもない。


豪快に蹴散らされ、肉塊に変わっていく。


「いい感じですわね」


と私は感想を漏らす。





続いてエドゥアルトのほうを見つめた。


「シッ――――」


エドゥアルトが敵兵てきへい合間あいまを走りぬける。


銀閃ぎんせんいだ。


次の瞬間、彼の近くにいた4人の兵士の首が、同時に飛んだ。


クールな斬撃ざんげきだ。


エドゥアルトも、以前に比べると、剣術の腕が格段に向上している。


心強い専属騎士である。


「さあ、ガンガン攻めますわよ」


と告げて、私も敵兵に斬りかかった。





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