第5章167話:レオン視点4

<レオン視点・続き>


店員が差し出してくる。


「お待たせいたしました、ずりでございます。レモンの汁を垂らして食べてみてください」


ずり。


初めて聞いた部位だが……ふむ。


香ばしい匂いがする。


美味そうだ。


言われた通り、レモンを絞って垂らす。


さて、お味は……。


「うめぇ……」


思わず口に出してしまう。


硬いような、柔らかいような、面白い食感だ。


そこに塩とレモンが効いていて、抜群の味わいになっている。


さらに、店員がやってくる。


「お待たせいたしました。なんこつ、こころでございます」


この二つも美味そうだ。


まずはこころにレモンをかけて食べてみる。


かみ締めると、じゅわっと肉汁が溢れでてきて、口いっぱいに肉の旨味が広がる。


(柔らかくて、旨味が尋常じゃねえ……!)


さらに、お次はなんこつ。


(コリコリして、歯ごたえが面白い。ずりと違った味わいがあるな)


今のところコレが一番好きだと思った。


そして、さらに次々と皿が運ばれてきた。


かわ、


ぼんじり、


手羽先。


どれも塩とレモンをかけて食べる焼き鳥だ。


でもそれぞれに特色があって飽きない。


そして、何より。


ビールと抜群に合うんだよな……!


(ダメだ。またビールがなくなっちまった)


ふたたび、注文する。






結局、レオンは、ビールを5杯も注文することになった。


それにあわせて、食べて食べて食べまくった。


そして。


この日から、彼は『炭火とビール亭』の常連客となった。






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