第4章150話:決闘その後
今回の決闘については、後日、瞬く間に大学中に広まった。
決闘の結果はもちろん、周知されていったが……
それ以上に、アレックスとゼリスの言動のひどさが、噂となった。
「ゼリスもひどかったけど、殿下もひどかったな」
「私……殿下があんな無茶なかばい方をするとは思わなかったわ」
「まるでルチル様や、観客が悪いみたいな言い草でしたわよね」
「ああ。どう見たってゼリスが一番悪いだろ」
「結局、ルチル様への言いがかりの件、謝罪もしなかったよな」
「まあ、ある意味でお似合いのカップルなのではないですか?」
「ルチル様がかわいそうだ」
ほとんどの内容が、アレックスとゼリスに対する不満や陰口である。
アレックスが観客を叱責したことに関しては、特に不評であった。
そんな大学の雰囲気を感じつつ。
私は、マキと、フランカと、エドゥアルトと、四人でティールームにいた。
お茶を飲む。
エドゥアルトが言った。
「学園は、ルチル様の決闘のことで持ちきりですね」
フランカが応じる。
「ほとんどの人が、殿下たちへの不満を述べている感じですよね」
マキがふん、と鼻を鳴らして言った。
「当然です! ルチル様は完全な被害者ですし、悪いのはあの女なのですから!」
あの女、とはもちろんゼリスのことである。
マキが続ける。
「でも幸いなことに、ゼリスはルチル様の足元にも及びません。剣の腕が立ったり、頭が回るわけでもない、ただのバカですからね!」
……本当に言いたい放題だね、マキは。
よほどゼリスのことを嫌っているようだ。
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